2019.10.02

無事に終えることができました/

こんにちは。
10月に突入ですね。今年は1年が早いです。
ほんっとうに早いです(笑)。
きっと、新しい試みや新しい人達に沢山会えて、充実していたからだと思います。
年末の挨拶みたいになってしまいましたね(笑)。

そして「誉ノ錺(ほまれノかざり)」にとってこれも初の試みだった
「ルース展示販売会&ジュエリーオーダー会」
9月29日に、無事終えることが出来ました。

今年の6月頃に、beautiful stone様からお声がけをいただき。
7月には下見にわざわざ横浜から来て下さり。
ああでもないこうでもないと試行錯誤し続け、時には掃除が嫌すぎて泣いて(笑)
あっという間に終わりました。

展示会当日、日頃は居住空間として使っているスペースまで解放しました。

1つ1つ丁寧にパッケージングされた石達。

色とりどりの石があって、キラキラ好きとしては喉から手が出るほど欲しい(笑)。

いつもは店舗として使っている空間は、石を吟味する場所として使っていただきました。

皆さま真剣そのものです。

展示場所に戻ったり、見ている石を取り替えたり。

今回とても印象的だったのは、お客様の石に対する想いです。
最初beautiful stone様と、1枠ごとの時間を「2時間」半ずつにすると決めた時
正直「若干長いかな・・・」と思っていました。
でも、どの枠の皆さまもきっちり2時間半いらっしゃる!
その間、ずっと石をご覧になっているのです。
「天然石」と言うものの魅力を、再確認できた1日でもありました。

最近、Twitterなどで色石がブームになっているようです。
テレビ番組「マツコの知らない世界」でも色石が紹介されていましたよね。
私達ジュエリーに携わる者としては、とても嬉しい流れだと思います。

でもその反面、石に詳しくない業者から購入してトラブルになったケースなどの
話も聞くようになりました。

「色石」と言う分野は、10年以上このお仕事をして来た私でも
手に負えないほど難しい分野だと思っています。
30年職人をして来た人でも、見間違うことがあります。
そして石は決して「硬い」物ではありません。
強く叩きつけたりすると、劈開によってはサファイアでも割れます。

よくお客様から、持ち込まれた石を
「この石は何?サファイア?」
などと聞かれることがあるのですが
極力その場では答えず、正確な鑑別をお勧めしています。
色や輝き方を目視するだけでは、その石のはっきりとした素性は分からないのです。

せっかく色石を好きになって下さった方達の気持ちをがっかりさせないように。
これからも「誉ノ錺(ほまれノかざり)」は、できるだけ正確な情報をお客様にお伝えしていきたいと思っています。
何かわからない事があれば、どうぞお問い合わせ下さいね。
手を尽くして、調べさせていただきますので。

美しいものを愛でる心は、この時代にとても大事な要素だと思います。
beautiful stone様の、石に向き合う真摯な気持ちを見せていただき
また来年も、第二弾を開けたら良いねとお話しました。
その時は、またここでご紹介したいと思います。
どうぞ楽しみにお待ち下さい。

コラムの画像は、今回のお客様が気に入ってご購入下さった「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の商品
「mignon ーこねこー」の後ろ足です(笑)。
猫の商品も、もっと作りたいなあ・・・。

2019.08.21

色石でここまで変わります

こんにちは。
「誉ノ錺(ほまれノかざり)」のある、ここ京都では
毎日厳しい暑さ(たまにゲリラ豪雨)が続いております・・。

もうそろそろ暑さもお腹いっぱいな感じですが。
前回のコラムでご紹介しました
「ルース展示販売会&ジュエリーオーダー会」
も、約1ヶ月先に迫ってまいりました。

今日は、「ルース」によってジュエリーがここまで変わるという良い例を
いくつかご紹介させていただきたいと思います。

今年に入ってから
「既存のネックレスの中心の石を、別の石に変更したい」というオーダーが、いくつかありました。
正直、どんな風に仕上がるのか未知の部分があったのですが
これがまた良い感じに仕上がりまして。

これは「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の商品「百花」のピンクゴールドバージョンです。
真ん中にペリドットを留めて、爽やかな印象に仕上げています。

これが、今回オーダーをいただいた中心をアクアマリンにしたバージョンです。

ペリドットの時とはまた違う、柔らかい雰囲気が出ていると思います。
アクアマリンの色に合わせて、周りのカラーサファイアの色味も変更しました。

これは「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の商品「明けの明星」です。
サファイアとオパールの上品な輝きが、胸元をクールに演出してくれます。

これが、中心をペリドットに変更したバージョンです。

何か、ノスタルジックな感情を思い起こさせるような、柔らかい雰囲気に仕上がっています。
オパールとの相乗効果もバッチリですね。

こういうお仕事が来た時、毎回色石の持つ力に圧倒されてしまいます。
「これはさすがに合わないやろう」と思う組み合わせも、びっくりするほどしっくりきたり。
自然から生まれた石達には、合う合わないなんてないのかもしれません。
デザイナーとして、とても勉強になるお仕事でした。

9月29日の「ルース展示販売会&ジュエリーオーダー会」でも、ルースを見ながら
「この石とこの石を組み合わせたらどうだろう」
と、いろいろ楽しんでいただけたらなと思います。

「ルース展示販売会&ジュエリーオーダー会」は、まだ若干お席に空きがあります。
どうぞお気軽に「誉ノ錺(ほまれノかざり)」までお問い合わせ下さいね。

こちらがbeautiful stone様が書いてくださった展示会の記事です。
↓↓↓↓↓
清水五条 展示販売会&ジュエリーオーダー会

2019.07.04

ルースの展示販売会とジュエリーオーダー会を開/

こんにちは。
石をこよなく愛する筆者ですが(だからこの仕事は天職です)
この度、とても素敵な企画を「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の店舗でさせて頂くことになりました。

その名も「ルース展示販売会&ジュエリーオーダー会」。
これは、インスタグラムでご活躍されているbeautiful stone様からのお声がけにより
実現した「誉ノ錺(ほまれノかざり)」にとって初めての試みになります。

<詳細>
日時:2019年9月29日
時間:入れ替え制/各2時間30分
①10:30〜13:00 5名/6名
②13:30〜16:00 4名/6名
③16:30〜19:00 4名/6名
(9月27日現在)

店舗の容量を考えると、最高でも6名が限界なので、今回は三部構成にしてみました。
すでに14名のご予約をいただいております。
ありがとうございます。

beautiful stone様のお持ちの石を、ここで少しだけご紹介します。

紫色が鮮やかななパープルスピネル。

七色に輝くウォーターオパール。

薄緑の涼しげな石。ミントグリーンガーネット。

青の発色が独特な色味のベニトアイト。

これは、私も現物を見せていただきました。
オパールとはまた違う、七色の素晴らしい輝きです。

beautiful stone様のお持ちの石は、まだまだこんなものではありません。
詳しくはbeautiful stone様のインスタグラムをご覧下さい.
↓↓↓↓↓
M-コレクションズ-天然石ルース・ジュエリールース

beautiful stone様の石に対する熱い想いは、実際にお話を聞く価値ありだと思います。

こちらがbeautiful stone様が書いてくださった展示会の記事です。
↓↓↓↓↓
清水五条 展示販売会&ジュエリーオーダー会

ずっとこのお仕事をしながら「石自体を好きな方とも出会ってみたい」
と思っておりました。
そして念願が叶い、先日beautiful stone様の展示会に足を運ばせていただき
そこのお客様とお話をする機会にも恵まれました。

皆様、石に対する愛情がすごい!
私も大概のキラキラ好きだと思っておりましたが、正直桁違いでした(笑)。
そして、そんな中で聞いたお客様の
「いつかはジュエリーにして身に着けたいと思いながら、ルースばかりが増えていきます」
というお言葉。
「誉ノ錺(ほまれノかざり)」が本領を発揮できるのはこの部分だ!と思いました。

当日は、あくまで石たちの展示販売会がメインです。
石を購入したら絶対にオーダーをしなければ・・という事ではありません(笑)。

「この石は何に仕立てれば良い?」
「この石に合う色味の石は?または金属は?」
などのご質問に応えるために、当日は常駐しております。

ご興味のある方はコチラから、お気軽にお問い合わせください。
↓↓↓↓↓
誉ノ錺(ほまれノかざり)店舗紹介ページ

店舗には「誉ノ錺(ほまれノかざり)」イチオシの「華真珠」のルースも沢山ご用意しております。

美しいものを見て、優雅なひと時をどうぞお過ごしください。

2019.06.05

石の存在感について

こんにちは。
日々のお仕事に追われて、なかなかコラムにまで手が伸びなかったのですが
沈黙を守っていた間も、石は着々と仕入れておりました(笑)。

今回は、変わった表情の石達を沢山ご紹介したいと思います。

ジュエリー業界では「高い=良い石」と言うイメージもありがちですが
私は、そんな事もないと思っています。

ジュエリーを「資産」として所用するのではなく「お気に入りのアート」として楽しむと考えた時
選択肢は無限大に広がるのではないでしょうか?

こちらは「ガーデンクォーツ」と言う水晶です。
水晶の中に不純物が沢山混じっていて、それが庭の景色のように見える事が由来の名前です。
ところどころに七色が入っていてとても綺麗。

これは「デントライトメノウ」と呼ばれているメノウです。
海藻?葉っぱ?のように見える部分も、れっきとした結晶物です。
冬の窓に付く霜の雪片も、この一種だそうですよ。

石の下の方に、お花のような模様が!
何だか野原の風景のようにも見えますね。

これもデントライトメノウです。
近くによると・・・

雲から、雨が降っているように見えませんか?

そして、こちらもデントライトメノウです。
中心に可憐なお花が咲いています!

これもデントライトメノウです。
私には、鳥が遠くに向かって飛んでいってるような雰囲気に感じたのですが
皆様はいかがでしょうか?

これは「ピクチャーメノウ」と呼ばれているメノウです。
元々メノウには、石の断面にとても複雑な色の層があり
それを風景に見えるように切り取ったのがこの石達です。

砂漠の岸壁の風景を、石の中に閉じ込めたようですね。

これもピクチャーメノウです。
先ほどの石とは、色味がうって変わって幻想的。
緑色のもやの中に、大きな山脈がそびえているように見えます。

これは「結晶メノウ」と呼ばれているものです。
結晶がそのまま突出している箇所があります。

下側の石の中に点在している緑色も美しい・・・。
これはもう「風景」ではなく、山脈のミニチュアですね(笑)。

「誉ノ錺(ほまれノかざり)」では、こういった個性的な石の魅力を
最大限に活かしたデザインを製作中です。

「ジュエリー」といった「身に付けるもの」だけではなくて
「見て楽しむもの」にも昇華させていきたいと思っています。
どうぞ楽しみにお待ちくださいね。

2019.01.15

こんな素敵なひのき舞台に立ちました

こんにちは。
2018年12月にご紹介した「誉ノ錺(ほまれノかざり)」のオーダー品
「柔らかな四角のマリッジリング」ですが。
実は結婚式にもお呼ばれして、参加させていただいておりました。

柔らかな四角のマリッジリングはこちらです。

ブライダル専門のカメラマンをなさっている奥様と
バーの経営をされている旦那様。
お二人とは長年の友人なのですが、マリッジリングを作らせていただくだけでも嬉しいのに
式にまで招待していただけるなんて感無量な気持ちです。

そして結婚式場は、奥様の勤めていらっしゃるチャペルでのお式でした。
チャペルの奥には、こんな美しいステンドグラスが!


花嫁さんのベールが、赤い絨毯に映えてとても綺麗です。


お互いに指輪を交換されて・・。


この笑顔!


お二人は本当に幸せそうで(旦那様はプラス照れ臭そうで(笑))
見ているこちらまで、幸せな気持ちになった素敵な結婚式でした。

そして、チャペルの地下に併設されている披露宴会場で、披露宴です。
ウェディングケーキのファーストバイトの、大きさに戸惑う新郎さん(笑)


そして新婦さんのご親友からの、歌の贈り物です。


彼女は、バンドのボーカルもされているので、圧倒的な歌唱力。
新婦さんを思う彼女の歌声と、暖かな歌詞の内容に、ジーンときてしまいました。

披露宴会場でお願いして、お二人の指輪の写真も撮らせていただきました。


この指輪は「柔らかな四角のマリッジリング」のページに詳しく書いている通り
片方はプラチナ、片方はシルバーでできています。

お客様の中には、お仕事上毎日は身につけられなかったり
着け外しの多いお仕事だったりと、様々な使い方があります。
今回はそんなお仕事上の問題を考慮して、旦那様の指輪はシルバーでお作りしました。

マリッジリングは一生ものです。
お二人がこれから歩まれる長い人生の中で、出来るだけ暮らしにも寄り添いたい。
そんな思いから出来上がったリングです。

この写真は、奥様の職場で一緒に働かれているカメラマンからの写真です。

やっぱりプロの写真は全然違いますね・・!!
一緒に写っている指輪は、ティファニー製の婚約指輪。
この指輪と重ね付けできるデザインが、お二人のご要望でした。

どうぞお二人とも末長くお幸せに。
心からおめでとうございます!

2018.12.31

2018年-年末のご挨拶

こんにちは。気がつけば12月31日ですね。
今年も沢山の作品を作らせていただきました。

「誉ノ錺(ほまれノかざり)」にくるオーダーは、他店で断られたものも多く。
1つ1つが難しいのですが、だからこそ出来上がった時はいつも、お客様以上に喜んでいます。

京都の東山に構えた店舗も、無事に丸2年を迎える事ができました。
来年で、この誉ノ錺(ほまれノかざり)を立ち上げて、丸10年になります。
一言で言えるとすれば「とにかく続けられて良かった」という事。

私達「誉ノ錺(ほまれノかざり)」のスタッフは、皆それぞれ作る事が大好きで。
こだわりも強くて大変ですが(笑)
そのこだわりこそが今まで続けられてきた要因の一つだと思います。

来年もこのメンバーでワイワイ言いながら
1つ1つ丁寧に、ものづくりを続けていきます。

今年も1年間、お世話になりありがとうございました。
皆様、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

※ご挨拶をしておりますが、引き続き年明けも予約優先でお店は開ける事が可能です。
 「休みの間に一度来て見たい!」
 「京都旅のついでに寄ろうかな」
などございましたら、どうぞお気軽にHPからお問い合わせくださいませ。
店主はずっと、店舗付近でうろうろしておりますので(笑)。

2018.09.02

オーダーメイドの里帰り

こんにちは。
随分以前にお作りした「カラーストーンのピンキーリング」「アクアマリンのリング」との二つが
お客様の手元から戻って来ました。
「少し汚れて来たので、リフレッシュ加工をしてほしい」との事です。


これが戻りたての指輪達。確かに、少し小キズが目立ちますね。


拡大してみると、石の裏にも汚れが付着しているのが見えます。

とはいえ、この二つの指輪。6〜7年も前にお作りしたものです。
その割には、状態がとても美しい・・・!
多少の小キズというものは、使っているとどうしてもついてしまうものですし
6〜7年お使いいただいている割には、石の裏も綺麗です。
きっと、大切に扱ってくださっていたのでしょうね。
作品が、全て「自分の子供」だと感じている私としては(笑)、本当にありがたい限りです。
新品のように、美しくしたいと思います!

まずは、洗って取れる汚れを全て取り除きます。
これは「超音波洗浄機」と呼ばれるもので、水を細かく振動させて付着した汚れを取り除くものです。
ここに、皮脂やその他の油分などを洗い流す特殊な洗剤を入れて使います。
うっかり自分の指をこの中に長く付けていると、ガサガサになります(笑)。


洗った後の石達です。
裏側の汚れが綺麗に取れて、輝きが増しました。


ただ、当たり前ですが小キズはまだ取れていません。
これからこの傷を磨いて取り除いていきます。

・・・・と思った矢先に問題が勃発。
職人が「カラーストーンのピンキーリング」を細かく点検している時に「ペリドットの石座の爪が浮いている」事に気付きました。

写真で分かるでしょうか?こんな感じで爪が石から浮いてしまっています。
ほっておくと石取れや爪が折れる原因にもなりますので、リフレッシュ加工の前に修理しておくことにします。

この灰色の固まりは「ヒートフォーム」と呼ばれるものです。
熱湯につけると柔らかくなる樹脂で、冷えると固まります。
柔らかい間に指輪を埋め込んで固定します。

こんな風にして、もう一度浮いてしまった爪を倒していきます。
小さいといえどもカナヅチで打ち直すとなると、力を入れ過ぎればペリドットは割れてしまいます。
このカナヅチの衝撃を少し弱めてくれるのも、ヒートフォームの大事な役割です。

アップで見るとこんな感じ。
本当に細かい作業です・・・。

爪が無事に倒せたので、ここから磨きに入っていきます。

高速回転しているバフに研磨剤を塗りつけて、そこに指輪を押し当てて小キズを取っていきます。
この時、石にはバフが当たらないように極力注意します。
そうしないと石のカット面まで削れてしまい、輝きが鈍くなってしまいます。


近くで見るとこんな感じ。
2本とも、丁寧にバフをあてていきます。

これがバフがけ直後の指輪達です。
全体的に黒ずんでいるでしょう?
磨いたバフの粉が付着している為です。

指輪の周りの水に、もやもやとした黒い湯気のようなものが見えないでしょうか?
これが、バフの粉です。
これを綺麗に洗って・・・。


これでリフレッシュ加工は終了です。
二つとも、とても綺麗になりました。

浮いていたペリドットの爪も、無事に押さえられました。

全体についていた小キズも取れています。

このコラムでも何度も書かせていただきましたが
ジュエリーという物は、大切に扱っていれば本当に長い間使っていただけます。
そして、石の裏にはどうしても皮脂が溜まりやすく
それを取り除くだけでもびっくりするくらい綺麗になります。
「最近この指輪、色あせてきたな」
「知らない間に傷だらけになってきたな」
など感じられた方は、ぜひ一度お買い求めになられたお店にご相談下さい。

最近のお店の中には「新品と取り返させていただきます」と提案してくるお店もあるようです。
新品と取り替えるのは、効率的には良いのかもしれませんが・・・。
「誉ノ錺(ほまれノかざり)」としては、それはもったいないように思います。

服を丁寧に繕い直して、長く着るように
割れたお茶碗に「金継ぎ」をして、もう一度使うように

ジュエリーも、末長くお客様の元で可愛がっていただきたいと思います。
「誉ノ錺(ほまれノかざり)」では、他のお店の商品達のリフレッシュ加工も承っております。
どうぞ、ジュエリーで何かお困りの事があれば、お気軽にお問い合わせくださいね。

2018.05.09

Van Clef & Arpels「アルハンブラ」のリメイク

こんにちは。
今日は、面白いお仕事をさせていただいたので、そのお話をしたいと思います。

これはオーダーでも修理でもないな・・・と思い。
「リメイク」という言葉を使わせていただきました。

これが、かの有名なVan Clef & Arpels「アルハンブラ」シリーズのイヤリングです。
(画像はVan Clef & Arpelsホームページからお借りしました)
とても高価なものなのですね・・・。お恥ずかしながら初めてお値段を知りました(笑)。

そしてこれが、お客様の持ち込まれたイヤリングの片割れです。

裏側も、イヤリング使用になっています。
お客様は「このイヤリングを、指輪として使いたい」との事でした。

普通の作り方としては

1,後ろのイヤリングパーツを取る
2,新たに作った金の指輪を、ろう付けで取り付ける

で完成!・・のはずなのですが。
実はこのイヤリングには、その作り方が使えません。

というのも、この白蝶貝でできたお花型の部分。
これは薄い貝で出来ています。
この薄い貝がとても熱に弱くて、ろう付け(溶接のようなもの)には耐えられないのです。
じゃあ、留めている爪の部分をおこして中の白蝶貝を取り出して・・・という方法もあるのですが。
爪を起こしている時に、白蝶貝に力がかかって割れてしまうかもしれません。

そこで今回は「レーザー」という方法をとらせていただきました。
レーザーは、全体に熱をを通して行う「ろう付け」とは異なり
1点集中でロウを溶かして溶接のできる機械です。
残念ながら、「誉ノ錺(ほまれノかざり)」にレーザーの機械はないので(とても高額!!)
今回は、業者さんにお願いしました。

パーツを作って、イヤリングの裏部分を取って綺麗に整えて・・・。
そして出来上がったのがこちらです。

このイヤリングは、裏の部分にとても美しい細工をしてあったので、できるだけ残しました。

2本の唐草と、支えの柱を1本付けています。

アルハンブラ特有のミル打ちを指輪全体にも施して、デザインに共通点をもたせました。
Van Clef & Arpels「アルハンブラ」シリーズにも指輪はあるのですが
あえてデザインは似せていません。
「誉ノ錺(ほまれノかざり)」が一番美しいと思うデザインで
アルハンブラをリメイクさせていただきました。

色々なお仕事をさせていただいていますが、こういったブランド品のリメイクは初めてです。
イヤリングの裏側にまで、気持ちのこもったデザインが施されていて
ここは潰さず生かしたいなと思う箇所がありました。

丁寧に作られたものを見ると、こちらまで嬉しくなりますね!
お客様にも大変喜んでいただけて、良かったです。

2018.02.11

ダイヤモンドとゴールドのエンゲージリング

こんにちは。
久しぶりのコラムになってしまいました。

写真は、以前にお作りしたエンゲージリングです。
このリングは、お客様のご要望により、とても個性的なものになりました。
今日はそのお話です。

お客様からのご要望。
それは「旦那様の親御さんの持ち物であった、金の指輪を溶かしてエンゲージに使いたい」
というものでした。

お客様からお預かりした指輪

これがその指輪です。
よく見ると、白い花のような箇所が・・・。
新品の頃は、彫りと別の貴金属でお花をかたどっていたのでしょう。
今ではあまり見ない作り方です。

そして、これは24金でした。「純金」です。
お客様は、これを溶かして指輪の一部にされたいとの事でした。

「溶かして作る」
これは、簡単そうに聞こえて実は複雑です。
指輪の作り方には、大きく分けると(本当に大きくですが)2つあります。
1つは、金やプラチナを叩いたり伸ばしたり、ろう付け(溶接のようなものです)して作る方法。
もう一つは「鋳造」という方法です。

「鋳造」の詳しい説明は、また別の機会にするとして
今回の「溶かして作る」に、この鋳造は当てはめられませんでした。
というのも、鋳造の場合5グラムの指輪を作る時、5グラムの金では作れません。
もっと沢山の金が必要となり、結果、お預かりした金と別の金が混ざってしまうことになるのです。
お客様にお聞きすると、それはなるべく避けてほしいとの事でした。

そこで
①お預かりした金で、できるだけ指輪の本体を作る(足らない部分は、少し補充する)。
②石を留める石座だけは、別の金で作ったものを使う
という事に決まりました。

まずは叩いて伸ばして作れるデザインの考案です。

ダイヤモンドの裂け目からダイヤモンドが覗くデザイン

ルビーを足したデザイン

なるべく、板にした金を丸めて指輪にできるデザインを考え・・・

決まったのがこちらでした。

実はこれ、私が今回描いた中でもかなり実験的な作品でした。
有機的なラインを、どこまでお客様と詰めることができるか。
そしてポップな形に、どうすれば高級感を出せるのか。
お客様をも巻き込んだ、長い制作が始まりました(笑)。

最初にした事は、ワックスでの見本作りです。
絵だけでは分からない裏の部分なども作って、お客様にお見せしました。

見本で作ったワックスの数々

本当はもっとありますが・・・(笑)。
実際に指にもはめていただいたりして、お好きな形を決めていただきます。

そして決まったのがこれでした。

指輪の下部についている斜めのラインは、ダイヤモンドのラインにします。

形が決まったところで、今度はお預かりしている金を溶かす番です。

細かく切った純金と銀と銅

この金は、純金だったので18金に作り直します。
純金は18金に比べると少し柔らかく、傷がつきやすいなどのデメリットがあります。
今回は指輪だったので、製品として安定している18金に作り直しました。

金を流し入れる型

あらかじめ、金を流し込む型をガンガンに温めておきます。

バーナーで火をあてる

金を溶かします。この炭素棒という棒でかき混ぜながら、できるだけ不純物が入らないように
均等に混ざるように、丁寧に溶かします。

溶かした金を型に流し込む

金は、バーナーからの火が停まると一瞬で固まってしまいます。
なので、型に流す直前まで、こうやってバーナーで温めながら流し込みます。

型の中で固まった金

無事に流れてくれました。
底の方に、少しはねたような金があって生々しい・・・。

新しくできた18金

これが新たにできた18金の棒です。
これを叩いて伸ばして叩いて伸ばして・・・を繰り返して板にします。

次は本体の形作り。
ワックスで作った指輪を元に、先ほど伸ばした金の板を形通りに切り取ります。

金を形どうりに切り取る

バラバラの指輪。これを1つ1つろう付けします。

ろう付けした直後の指輪です。ワックスの指輪と似てきました。

荒く磨いて、中心の大きなダイヤモンドを留める石座をつけました。
赤ペンで印が付いているのは、ここにダイヤモンドのラインが入るという印です。

ダイヤモンドのライン。
今回は、微妙に右肩上がりに配置したいので、慎重にラインを決めていきます。

ダイヤモンドのラインをろう付けして、磨いて石を全て留めてつや消しをして・・・・。
(本当はここが一番大変なのですが、少し割愛しています)

完成しました。

指輪全体のところどころに、ダイヤモンドを留めています。
シルクのような表面の加工が、ダイヤモンドの輝きを引き立てています。
当初心配していた高級感と有機的な形の共存も、うまく果たすことができました。

お客様と何度も打ち合わせをさせていただいた事は、作品質の向上に大きく繋がったと思います。
貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。

旦那様のお父様とお母様の思いをのせて
これからは、お二人の思い出をのせていっていただけたらと思います。