かんざし -鶴と華ー

2021.05.04

かんざし -鶴と華ー/

こんにちは。
コラムが長い間滞ってましたね。
今日は、前回紹介させていただいた「かんざしー鶴と華ー」について 少しお話ししたいと思います。

実は、今回の「かんざしー鶴と華ー」の原型を作ったのは、去年の緊急事態宣言の最中でした。

コンスタントに続いていたお客様が途絶え
追われるように仕事をしていた状況から、ストンと抜けたような感じの中
「今まで、作りたかったけど作れなかった、凝った物を製作してみよう」
と思い立ちました。

デザイン画を描いて
ワックスを削りました。

ちまちまと、外出自粛・店舗完全予約制の中ずっと彫っていた事を思い出します。
ワックスが何とか仕上がって、でも自分が思っていた感じではなくて。
その時、職人さんが
「原型にする時に胴体と羽を切り離せばいい。そして金属になった時にまたくっつければいい。
そうすれば、鶴にもっと動きが出るよ。」
と助言をくれました。

私自身では、そんな芸当はとても出来ないので渋っていたのですが
サクサクと胴体と羽を切り離され(笑)、原型になり、銀になったものを
「結構難しいなあ(私の心の声:いやほんまに難しいですよ)」と言いながら
造作もなくくっつけてくれた職人さんの技術を見た時に
私の表現は、自分1人では絶対に完成しないのだと思いました。

この鶴は、日本に古来からある「家紋」の「鶴」からインスパイアされた形になっています。
「鶴」は「延命長寿」を表すシンボルで、昔から日本で親しまれていた形です。

家紋の「鶴」

そして、鶴の下にぶら下げた「華真珠」
これは、ずっと前にコラムでも詳しく書きましたので、よければご覧下さい。
↓↓↓↓↓↓
「華真珠について」

こちらも、日本の職人さんが技術と熟考を重ねて生み出された逸品です。
最近は、類似品もちらほら見かけるようになりましたが
私は、この「華真珠」というブランドを立ち上げられた「小松ダイヤモンド工業所」さんから
ずっと買い付けていきたいと思います。

発表から、1年経ってしまった作品ですが
この鬱々とした雰囲気の時代に、少しでも安らぎを与えてくれれば、こんな嬉しい事はありません。