2017.10.31
誕生石シリーズ ー10月「オパール」ー
こんにちは。
今日は10月の誕生石「オパール」のお話です。
オパールの和名は「蛋白石(たんぱくせき)」と言います。
オパールはギリシア、ローマ時代に上層階級で特に愛されていた宝石でした。
当時はサンスクリット語で「upala(ウパラ)」と呼ばれていました。
これは「最上の宝石」という意味です。
当時の人達は、オパールがなぜ七色にキラキラと光るか解明できていませんでした。
そこでオパールの中に、赤・黄色・紫・青色など
様々な小さな宝石の粒が詰まっている特別な石だと考えられていたようです。
なるほど。それなら「ウパラ」と呼んでしまうのもうなづけますね。
私もそんな石があるなら欲しいです(笑)。
オパールが七色に美しく光るのは、この鉱物の持つ、独特な構造のためです。
「珪酸」という、見えないぐらいの小さな球が無数に集まっていて
それが三次元的に整然と積み重なると、光がその球の隙間を通過する時に
虹色に分かれて光ります。
球のサイズがばらばらだったり、積み重なり方が乱れていると光りません。
この七色の光がキラキラと光る様を「遊色効果」と言います。
これがおなじみのオパール。
白の中に、様々な色が浮かびあがっています。
これはブラックオパールです。
青と緑の光が印象的ですね。
これはオレンジ色のオパール。
暖かい色味です。
そしてオパールの中には、七色に光らないものもあります。
光らないオパール全般は、「コモンオパール」と呼ばれていますが
遊色効果を持つ石よりは、宝石として扱われることは少ないようです。
個人的には美しい色のコモンオパールが沢山あるので、それはそれでとても好きなのですが。
市場価値は定まらないといったところでしょうか。
オパールには、合成石が多いことでも有名です。
中でも有名なのは、京セラが作った「京都オパール」です。
京セラには、進んだ宝石合成技術部門があり、こんな美しいものもできてしまいます。
※この画像は、京セラさんのサイトから引用させていただきました。
この技術のおかげで、遊色効果のある合成オパールを、安価で色々な製品に
組み込んだりも出来るようになりました。
今の時代、宝石も時間をかければ作れてしまうのです。
科学の進歩って、本当に凄まじいですね・・・。
さてオパールのお手入れ方法なのですが。
実は、オパールには様々な種類があります。
そして産出国やその種類によって、乾燥に弱かったり、水分を吸収して変色したりします。
一番良いのは、ご購入されたお店に持ち込むことですが
鑑別をとってみることもお勧めします。
天然のブラックオパールなどは、柔らかい布で拭いてもらっても構いません。
オーストラリア産のホワイトオパールは、ブラックオパールなどよりは水を
多めに含んでいますので、夏場の直射日光下や熱が極端にこもったり
乾燥がきついような場所には、長時間置かないでください。
あとは、柔らかい布で拭いたり水で優しく洗ってもらっても問題ありません。
ただし、超音波洗浄機は避けて下さいね。
オパールは「宝石」としてもですが「鉱物」として愛されている方達も多いです。
それは、一言で「オパール」と言っても、性質の全く違う石が多いという事です。
これを機会に、お持ちのオパールの素性を調べて見られるのも面白いのではないでしょうか?
※写真は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。