誕生石シリーズ ー9月「サファイア」ー

2017.09.29

誕生石シリーズ ー9月「サファイア」ー

こんにちは。
今日は9月の誕生石「サファイア」のお話です。

サファイアの和名は「青玉(せいぎょく)」と言います。
7月の誕生石「紅玉」と対になるような名前です。
誕生石シリーズ ー7月「ルビー」ーでお話ししたように
ルビーとサファイアは同じ鉱物です。
鉱物の中に含まれている成分が少し違うだけで、こんなにも色が違うなんて
自然の力は計り知れませんね。

古代のペルシアでは、人間が住む大地はサファイアで出来ていて
大地に反射した太陽の光が、空の青さを作り出していると考えられていました。
すごい想像力です(笑)。
「サファイア」の語源は「青」を意味するラテン語の「sapphirus(サッピールス)」
ですがこの言葉は、以前ラピスラズリも指す言葉として用いられていたようです。

そんな「青色」を代表しているかのように扱われているサファイアですが
実は、様々な色のサファイアが存在しています。

そもそも「コランダム」という同じ鉱物であるサファイアとルビー。
「青」と「赤」という両極端の色を持つ鉱物ですから、多種多様な色があるのも頷ける話です。

ブルーサファイア

これは同じみのブルーサファイアです。
底の底までのぞき込めるような深い青色は、サファイアならではの美しさです。

オレンジサファイア

これはオレンジサファイア。緋色にも近いような不思議な色です。

グリーンサファイア

これはグリーンサファイアです。
この石は、少しだけ黄色が混じっている希少な石です。

パープルサファイア

これはパープルサファイア。紫色がアメジストのように濃いですが
反射光が鮮やかなのはさすがです。

ピンクサファイア

これはピンクサファイアです。パープルサファイアとはまた異なる明るいピンク色です。

ブラックスターサファイア

これはブラックスターサファイアです。石の表面にくっきりとスターが現れています。
男性用のジュエリーなどに使用すると、独特の華やかさを演出してくれるのではないでしょうか。

パパラチアサファイア

そしてこれが、パパラチアサファイアと呼ばれるものです。

サファイアの色には、特別希少とされている色が2種類あります。
1つは「コーンフラワー・ブルー(矢車菊の青)」と呼ばれる青色。
そしてもう1つは「パパラチア・ピンク(蓮の花のピンク)」と呼ばれるピンク色なのです。

上のピンクサファイアと比べて見てください。
ピンク色でもない、オレンジ色でもない、とても複雑な色味ですね。
「蓮の花」という表現がぴったりな気がします。
そんなパパラチアサファイアは、希少性が高く、大きな原石がなかなか産出されないことから
世界で最も高価なジェムストーンの1つともされています。
石好きの私としては、死ぬまでにひとつは欲しいなと思ってしまいます(笑)。

さて、サファイアのお手入れ方法ですが
ダイヤモンドの次に硬いこの石は、比較的お手入れが簡単です。
超音波洗浄にも耐えられるので、汚れてしまったら
購入されたお店にお持ちいただくのも良いかもしれません。

ご家庭でなら、泡立てた石けんの泡で包み
歯ブラシなどで優しく擦っていただくと汚れが浮き上がってきますので
よく水洗いして乾かせば、美しい輝きを取り戻してくれます。

ただ1つだけ気をつけていただきたいのは
目に見えるようなヒビや傷がある場合は、超音波洗浄や歯ブラシなどは避けて下さい。
どんな小さな衝撃でも、そのヒビが広がり割れてしまうとも限りませんので。

サファイアとマンダリンガーネットの指輪

写真は、「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の作品
「サファイアとマンダリンガーネットの指輪」です。
中心の青い石も、その上下の黄色い石も、左右の薄い青色の石も、すべてサファイアを使用しています。

サファイアの青色を見ていると、何となく心がすっと落ち着くような気がします。
秋の夜長の、落ち着いた時間にぴったりな、美しい澄んだ青色です。

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。