誕生石シリーズ ー7月「ルビー」ー

2017.07.28

誕生石シリーズ ー7月「ルビー」ー

こんにちは。
今日は7月の誕生石「ルビー」のお話です。

ルビーの和名は「紅玉(こうぎょく)」です。
燃えるような赤い色をしたこの石を、昔は「アンスラックス(anthrax)」とか
「カルブンクルス(carbuncles)」と呼んでいました。
「燃える石炭」という意味です。

この赤い光に魅了された古代の人達は、ルビーを「神がかった石」として捉え
「燃える石炭」と表現したようです。
ところが、中世期の頃から「カルブンクルス」の名前は「ガーネット」を指す事が多くなってしまいました。
そこで、代わりに赤色を意味するラテン語「ルバー(rubber)」が
ルビーの語源になったと言われています。

燃えるような赤色が特徴

ルビーの鉱物名は「コランダム」と言います。
これは、実はサファイアと同じ鉱物です。
鉱物上はサファイアとルビーは同じ石という事になります。
同じ石でも、中に含まれている成分でここまではっきり色が分かれるのは、まさに自然の神秘と言えますね。
ルビーには「クロム」という成分が含まれていて、これが鮮やかな赤い色の原因となっています。
クロムの代わりに、鉄やチタンなどの成分が混ざると、黒味や紫味が強くなっていきます。

ヨーロッパの方達は特にルビーを好まれるようで
真っ赤なルビーを「ピジョン・ブラッド(鳩の血)」と呼んで重宝しています。
産地としては、ミャンマーのモゴック産が一番美しいとされています。
それは産出地によって微妙に石の色が違うからです。
また、ルビーは「加熱処理」をすることで、黒味が抑えられ、鮮やかな赤色に生まれ変わる事があります。
逆に、「非加熱」で鮮やかな赤色を持った石は、大変希少とされ
「ピジョン・ブラッド」と呼ばれるものは、モゴック産で非加熱のものが多いようです。
残念ながら私達には、なかなか目にする機会がありません(笑)。

産出地によって、色が違うと申し上げましたが、私はどこの産出地から出たルビーも
それぞれに特徴のある色味で美しいと思います。
残念ながら、宝石業界では「価値がある=高値である」という考えが根付いていますので
赤茶色いルビーや黒味がかったルビーはあまり高値で取引はされません。
でも、個人として気に入った石を選ばれるとなった時
私はご自身が「美しい」と感じられる石を選ばれるのが一番だと思います。

落ち着いた色味のカボションカット

鮮やかなピンク色のカボションカット

表面にスターの浮かびあがったルビー。希少価値が高い。

ルビーのお手入れ方法ですが、コランダムはダイヤモンドの次に硬い石です。
ですので、比較的扱いやすい石と言えます。
汚れてしまった時は、泡立てた石けんの泡で優しく洗ってもらっても大丈夫です。
超音波洗浄器などに入れてもらっても構いませんが、ヒビが入っていないことを確認してからにしてください。

写真は、「誉ノ錺(ほまれノかざり)」のオーダーメイド作品
「ルビー、オパール、ダイヤモンドのネックレス」です。
小さなルビーを4粒合わせて、大きな一粒の石に見立てています。
鮮やかな赤色が美しい作品になりました。

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。