誕生石シリーズ ー12月「ターコイズ」ー

2016.12.28

誕生石シリーズ ー12月「ターコイズ」ー

こんにちは。
今日は12月の誕生石でもある「ターコイズ」のお話をしたいと思います。

ターコイズの和名は「トルコ石」です。
ターコイズの歴史はとても古くて
今から約6000年前のメソポタミア(現在のイラク)で使用されていた
ターコイズのビーズが発見されています。
13世紀頃までは「美しい石」を意味する「カレース(カッライス)」と呼ばれていました。
その美しい水色から、自然崇拝の対象となり「神聖な石」として取り扱われていたようです。
青空を切り取ったような色ですものね。

イランやシナイ半島でターコイズは採掘されていましたが、実はアメリカの南西部も産地でした。
現在では枯渇した鉱山もありますが、テイファニーが所有していた鉱山もあったため
「ティファニー・ターコイズ」とも呼ばれていたようです。
そう考えると、ネイティブアメリカンのジュエリーに、よくターコイズが用いられているのも頷ける話です。

ネイティブアメリカンの方達は、ターコイズをお守りとして重用していました。
きっと昔は、偶然出てきた美しい石を丁寧に磨いて、肌身離さず持っていたのでしょうね。
私も、こんな美しい水色が地中から出てきたら、丁寧に磨いてしまうと思います(笑)。


ターコイズの魅力と言えばその明るい水色ですが、水色の他に緑色の物も存在します。

緑色のネット入りターコイズ
緑色のネット入りターコイズ

宝石の価値としては、水色の方が高いとされていますが、私は緑色も美しいと思います。
そして「ネット入り」と呼ばれる黒や茶色の網目のような模様が入ったターコイズ。

青色のネット入りトルコ石
青色のネット入りターコイズ

これは、ネットの入る位置や細かさなどで、値段が大きく変わります。

また、ターコイズは発掘されたままの姿では、砕けてしまったり激しく変色する物もあります。
その度合いは産地によって違うのですが
残念ながら何の加工も施さなくても安定しているようなターコイズは、現在はほぼ市場に出回りません。
かなりの希少価値が付いているからです。

その中でも、高級とされているターコイズに施されている処理は、とてもデリケートなものです。
ゴシゴシとこすったりすると、表面のコーティングが剥がれてしまうこともあるし
他の宝石とあたると欠けてしまうこともあります。

それ以外にも、「練りターコイズ(粉末になったターコイズを練って作った物)」や
ハウライトという石を青く着色したものも販売されています。
そして、それぞれのお手入れの仕方が異なります。
本来なら、そのターコイズがどういったものであるか、お客様にお伝えするべきだと思うのですが
残念ながら、なかなかそこまで詳しい販売員はいらっしゃらないように感じます。

平均的なお手入れとしては、あまり強くはこすりすぎない方がいいです。
どうしても気になる汚れが付いてしまった場合は、購入されたお店に持って行かれることをお勧めします。

トルコ石を使ったネックレス
ターコイズを使ったネックレス

美しいネットの入ったトルコ石
美しいネットの入ったターコイズ

写真は、「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の作品
「うさぎに願いをーお守りネックレスー」
ネットの入り方が繊細なターコイズです。
ネックレスの方には小さなターコイズが留まっていますが、存在感は抜群です。

石にはそれぞれの美しさがあります。
「高級だから」「〜のブランドで買ったから」というよりも
「ご自身が一番気に入ったもの」を選ばれることをお勧めします。
ちなみに私は、緑色のターコイズも大好きです。

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。