カテゴリー: 石の紹介

2017.09.29

誕生石シリーズ ー9月「サファイア」ー

こんにちは。
今日は9月の誕生石「サファイア」のお話です。

サファイアの和名は「青玉(せいぎょく)」と言います。
7月の誕生石「紅玉」と対になるような名前です。
誕生石シリーズ ー7月「ルビー」ーでお話ししたように
ルビーとサファイアは同じ鉱物です。
鉱物の中に含まれている成分が少し違うだけで、こんなにも色が違うなんて
自然の力は計り知れませんね。

古代のペルシアでは、人間が住む大地はサファイアで出来ていて
大地に反射した太陽の光が、空の青さを作り出していると考えられていました。
すごい想像力です(笑)。
「サファイア」の語源は「青」を意味するラテン語の「sapphirus(サッピールス)」
ですがこの言葉は、以前ラピスラズリも指す言葉として用いられていたようです。

そんな「青色」を代表しているかのように扱われているサファイアですが
実は、様々な色のサファイアが存在しています。

そもそも「コランダム」という同じ鉱物であるサファイアとルビー。
「青」と「赤」という両極端の色を持つ鉱物ですから、多種多様な色があるのも頷ける話です。

ブルーサファイア

これは同じみのブルーサファイアです。
底の底までのぞき込めるような深い青色は、サファイアならではの美しさです。

オレンジサファイア

これはオレンジサファイア。緋色にも近いような不思議な色です。

グリーンサファイア

これはグリーンサファイアです。
この石は、少しだけ黄色が混じっている希少な石です。

パープルサファイア

これはパープルサファイア。紫色がアメジストのように濃いですが
反射光が鮮やかなのはさすがです。

ピンクサファイア

これはピンクサファイアです。パープルサファイアとはまた異なる明るいピンク色です。

ブラックスターサファイア

これはブラックスターサファイアです。石の表面にくっきりとスターが現れています。
男性用のジュエリーなどに使用すると、独特の華やかさを演出してくれるのではないでしょうか。

パパラチアサファイア

そしてこれが、パパラチアサファイアと呼ばれるものです。

サファイアの色には、特別希少とされている色が2種類あります。
1つは「コーンフラワー・ブルー(矢車菊の青)」と呼ばれる青色。
そしてもう1つは「パパラチア・ピンク(蓮の花のピンク)」と呼ばれるピンク色なのです。

上のピンクサファイアと比べて見てください。
ピンク色でもない、オレンジ色でもない、とても複雑な色味ですね。
「蓮の花」という表現がぴったりな気がします。
そんなパパラチアサファイアは、希少性が高く、大きな原石がなかなか産出されないことから
世界で最も高価なジェムストーンの1つともされています。
石好きの私としては、死ぬまでにひとつは欲しいなと思ってしまいます(笑)。

さて、サファイアのお手入れ方法ですが
ダイヤモンドの次に硬いこの石は、比較的お手入れが簡単です。
超音波洗浄にも耐えられるので、汚れてしまったら
購入されたお店にお持ちいただくのも良いかもしれません。

ご家庭でなら、泡立てた石けんの泡で包み
歯ブラシなどで優しく擦っていただくと汚れが浮き上がってきますので
よく水洗いして乾かせば、美しい輝きを取り戻してくれます。

ただ1つだけ気をつけていただきたいのは
目に見えるようなヒビや傷がある場合は、超音波洗浄や歯ブラシなどは避けて下さい。
どんな小さな衝撃でも、そのヒビが広がり割れてしまうとも限りませんので。

サファイアとマンダリンガーネットの指輪

写真は、「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の作品
「サファイアとマンダリンガーネットの指輪」です。
中心の青い石も、その上下の黄色い石も、左右の薄い青色の石も、すべてサファイアを使用しています。

サファイアの青色を見ていると、何となく心がすっと落ち着くような気がします。
秋の夜長の、落ち着いた時間にぴったりな、美しい澄んだ青色です。

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.08.29

誕生石シリーズ ー8月「ペリドット」ー

こんにちは。
今日は8月の誕生石「ペリドット」のお話です。

ペリドットの和名は「橄欖石(かんらんせき)」と言います。
ペリドットの一番の魅力は、何と言っても鮮やかな緑色です。

瑞々しい色味を感じさせる。

ペリドットは「クレオパトラが愛した宝石の1つ」だと言われています。
太陽神を信仰していた古代エジプトの人達は、この美しい黄緑色の中に
太陽の煌めきが閉じ込められていると考えていました。
暗がりの中でも、かなり強い輝きを示すペリドットは
「イブニング・エメラルド」という異名まで持っています。

そしてペリドットの鉱物名は「オリビン」です。
これはオリーブの実に色が似ているところから、ラテン語を語源として命名されたものです。
ペリドットは、オリビン鉱物グループに属する「フォルステライト(マグネシア橄欖石)」と
「ファヤライト(鉄橄欖石)」のが混じり合ったものだと考えられています。
フォルステライト(マグネシア橄欖石)に近いものは、黄緑から緑色が強くなり
ファヤライト(鉄橄欖石)に近くなる程、褐色が強くなったり黒味がかかったりします。

黄緑色が美しいペリドット。
深みのある褐色のかかったペリドット。
カボションカットにすると、また違う表情に。

鉱物に含まれている微量な成分によって、宝石は様々な色味を見せてくれます。
これこそが、自然の神秘と呼べるものなのかもしれません。

お手入れ方法ですが、ペリドットは超音波洗浄はお勧めしません。
石にもよりますが、インクルージョンが入っていることも多く
そこからヒビが入って割れてしまう可能性があります。
石けんを泡立てて、その泡で優しく洗えば、表面の汚れは取りのぞけます。
硬度もそこまで高くはないので、ダイヤモンドなどのジュエリーとはぶつからないようにしてくださいね。

夏にぴったりの涼やかな色を持つペリドット。
おしゃれを楽しむ気も失せてしまう京都の夏ですが
こんな涼しげな色の石なら、身に付けても良いかなと思えます。
「誉ノ錺(ほまれノかざり)」からも、ペリドットの作品を出していきたいと思います。

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.07.28

誕生石シリーズ ー7月「ルビー」ー

こんにちは。
今日は7月の誕生石「ルビー」のお話です。

ルビーの和名は「紅玉(こうぎょく)」です。
燃えるような赤い色をしたこの石を、昔は「アンスラックス(anthrax)」とか
「カルブンクルス(carbuncles)」と呼んでいました。
「燃える石炭」という意味です。

この赤い光に魅了された古代の人達は、ルビーを「神がかった石」として捉え
「燃える石炭」と表現したようです。
ところが、中世期の頃から「カルブンクルス」の名前は「ガーネット」を指す事が多くなってしまいました。
そこで、代わりに赤色を意味するラテン語「ルバー(rubber)」が
ルビーの語源になったと言われています。

燃えるような赤色が特徴

ルビーの鉱物名は「コランダム」と言います。
これは、実はサファイアと同じ鉱物です。
鉱物上はサファイアとルビーは同じ石という事になります。
同じ石でも、中に含まれている成分でここまではっきり色が分かれるのは、まさに自然の神秘と言えますね。
ルビーには「クロム」という成分が含まれていて、これが鮮やかな赤い色の原因となっています。
クロムの代わりに、鉄やチタンなどの成分が混ざると、黒味や紫味が強くなっていきます。

ヨーロッパの方達は特にルビーを好まれるようで
真っ赤なルビーを「ピジョン・ブラッド(鳩の血)」と呼んで重宝しています。
産地としては、ミャンマーのモゴック産が一番美しいとされています。
それは産出地によって微妙に石の色が違うからです。
また、ルビーは「加熱処理」をすることで、黒味が抑えられ、鮮やかな赤色に生まれ変わる事があります。
逆に、「非加熱」で鮮やかな赤色を持った石は、大変希少とされ
「ピジョン・ブラッド」と呼ばれるものは、モゴック産で非加熱のものが多いようです。
残念ながら私達には、なかなか目にする機会がありません(笑)。

産出地によって、色が違うと申し上げましたが、私はどこの産出地から出たルビーも
それぞれに特徴のある色味で美しいと思います。
残念ながら、宝石業界では「価値がある=高値である」という考えが根付いていますので
赤茶色いルビーや黒味がかったルビーはあまり高値で取引はされません。
でも、個人として気に入った石を選ばれるとなった時
私はご自身が「美しい」と感じられる石を選ばれるのが一番だと思います。

落ち着いた色味のカボションカット

鮮やかなピンク色のカボションカット

表面にスターの浮かびあがったルビー。希少価値が高い。

ルビーのお手入れ方法ですが、コランダムはダイヤモンドの次に硬い石です。
ですので、比較的扱いやすい石と言えます。
汚れてしまった時は、泡立てた石けんの泡で優しく洗ってもらっても大丈夫です。
超音波洗浄器などに入れてもらっても構いませんが、ヒビが入っていないことを確認してからにしてください。

写真は、「誉ノ錺(ほまれノかざり)」のオーダーメイド作品
「ルビー、オパール、ダイヤモンドのネックレス」です。
小さなルビーを4粒合わせて、大きな一粒の石に見立てています。
鮮やかな赤色が美しい作品になりました。

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.04.26

誕生石シリーズ ー6月「パール」ー

こんにちは。
今日は6月の誕生石「パール」のお話をしたいと思います。

パールの和名はもちろん「真珠(しんじゅ)」です。
有機物からできている、珍しいジェムストーンと言えます。
生きた貝の中から見つかるパールは、昔から極めて不思議なものとして考えられてきました。
「貝の中に月の雫が宿った」
「貝が人魚の涙を飲み込んだ」
などと言われた最もな理由の一つは、その内側からふわりと滲み出るような独特の輝きのためだと思います。
その柔らかい輝きは、沢山の人を魅了し、日本では冠婚葬祭の欠かせないアイテムにもなっています。

実はパールは、5世紀の初めには中国で人為的に作る試みがなされていました。
それは湖に生息している「カラスガイ」という貝を使った
殻の内側にへばりついた状態の真珠だったそうです。
1740年代にも1880年代にも、養殖真珠を作る試みは世界で行われてきました。
でも、そのどれもが生産を安定させることはできませんでした。

そんな中、この歴史を変えたのは「御木本幸吉(みきもとこうきち)」さん。
有名なジュエリーブランド「ミキモト」の創業者です。
彼の考案した養殖真珠の技法のおかげで、安定した真珠の供給ができるようになりました。

パールには「海水パール」と「淡水パール」に大きく分けられます。
昔は「海水パール(あこやパール)」が一番価値の高いものとされていたようですが。
私は正直なところ、あまりそうは思いません。
最近では、淡水パールの中でもとても美しいパールが存在します。
テリ、ツヤ共に淡水パールの中でも群を抜いて美しいものを「湖水パール」と呼んでいます。
たまに百貨店などにも出展されていますので、一度ご覧いただけたらと思います。

南洋パールと呼ばれるパール

核を持たない黒蝶パール

様々な色を持つ淡水パール

湖水パールと呼ばれる淡水パールの最高峰

そして、デザイナーとして思うことは
「パールはデザインが難しい」ということです。
理由は様々あると思いますが、私が感じるのは
・日本人の中にある「パール=冠婚葬祭にだけつけるもの」という観念が強い
・人工パール(コットンパールなども含む)などの人気で、高額な本物のパール自体の売れゆきが厳しい
という2点です。

この写真は「誉ノ錺(ほまれノかざり)」でイチオシしている「華真珠」というパールです。
詳しい内容はコラム「華真珠について」を読んでいただけたらと思うのですが
この華真珠をご覧になったお客様の中には
「せっかくの美しいパールの表面をカットしてしまうなんて勿体無い」
と仰られる方もいらっしゃいます。
私などは「とにかく美しければいい」という考えなのですが、そういうお言葉を聞くたびに
「日本人の中にある『真珠』のイメージを壊すのは難しいな・・・」
と思います。

実はパールは、カジュアルに着けても清楚な雰囲気を残してくれるとても貴重なアイテムなのです。
でも、正直、カジュアルでおしゃれなパールのデザインを手がけているブランドはあまり多くありません。
デザイナーとして、パールについた固定概念に、一生かけて立ち向かっていこうと思います(笑)。

一粒の光ネックレス

写真は「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の作品「一粒の光 シンプルネックレス」です。
パール独特の清楚な輝きは残しながら、華やかさも感じられるネックレスです。

そしてパールのお手入れ方法ですが。
パールは石ではありません。極端に言うと貝に近いのです。
水の中から生まれていますが、水にはすこぶる弱いです!
パールの指輪をつけたままお皿洗いをしたり
汗のついたネックレスをじゃぶじゃぶ水で洗うのはお勧めできません。

パールは、電子顕微鏡でしか見ることのできない、ごくごく小さなカルシウム結晶の一つずつが
たんぱく質の薄いシートに包まれ、それが何千億と集まってあの美しい色と輝きを放っています。
なので、温度が高かったり、水分が残ったりしていると、たやすく変色してしまいます。

お皿を洗う時は、パールの指輪は外す。
汗がついたネックレスは、柔らかい布で丁寧に拭き取る
などしていただけたらと思います。
また、使い続けて曇ってしまったパールも、業者に出せば「クリーニング」をしてくれるようですが
お金はかかってしまいます。
日頃のちょっとしたお手入れで、パールはその輝きを長く保つことができますので
どうぞ丁寧に扱ってあげてください。

またパールの硬度は2.5〜4.5と非常に柔らかい(もろい)ものです。
ダイヤモンドや、サファイアのジュエリーと一緒の箱には入れないでくださいね。
パールとダイヤモンドやサファイアが当たると、パールに傷がついてしまいます。

パールは、どの石とも比べられないような、独特の輝きを放つ美しいものです。
繊細であることは間違いありませんし、お手入れも人工のパールよりは大変かもしれません。
でも、長い時間海の中で貝が抱き続けた結果、あの奇跡のような美しさが生まれています。
生命の神秘に思いを馳せながら丁寧にお手入れをして、上質な時間を体験してみてください。

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.05.30

誕生石シリーズ ー5月「エメラルド」ー

こんにちは。
今日は5月の誕生石「エメラルド」のお話をしたいと思います。

エメラルドの和名は「翠玉(すいぎょく)」「翠緑玉(すいぎょくりょく)」
「緑柱石(りょくちゅうせき)」などと呼ばれています。
5月という爽やかな季節にふさわしい緑色の美しい石です。
エメラルドの鉱物名は「ベリル」と言います。
3月の誕生石でもある「アクアマリン」も、このベリルに属しています。

古代の人々は、「緑色の石には大地の精霊のパワーが宿っている」と信じていました。
その当時は緑色の石をまとめて、ラテン語で「smaragdus(スマラグドス)」と呼んでいましたが
その中には、エメラルドでない石も含まれていたようです。
その後ギリシア語やペルシャ語を経て、英語である「Emerald(エメラルド)」になりますが
これは「最高のスマラグドス(緑の石)」に与えられた称号とも言えるでしょう。

美しい緑色

エメラルドの美しい緑色の主成分は「クロム」です。
このクロムとエメラルドが育つ条件から、エメラルドの内部には多くのインクルージョンが内包されています。
「インクルージョン」とは、鉱物に入っている液体や小さな結晶などのことです。

薄黒いモヤのように見えているインクルージョン
端に白っぽいインクルージョンが見える

エメラルドにインクルージョンが多く発生するのは、エメラルドの最大の特徴とも言えます。
「インクルージョンのないエメラルドを探すのは、砂場に落とした1本の針を探すようなもの」
だと言われるほど。
そこで生まれたのが「mossy(モッシー)、jardin(ジャルダン)」というような愛称です。
mossyは「苔むした、苔の生えた」という意味で、jardinは「庭」という意味です。
石の中に庭があるというのはロマンティックな表現ですね。

ただ、このロマンティックなインクルージョンですが。
実はこれ、制作側としては命取りになります。
「職人泣かせの石」だと、私は思っています(笑)。
インクルージョンが沢山含まれている石と言うのは、基本的に衝撃にとても弱いです。
石の内部に、沢山のヒビがすでに入っているようなイメージです。
少しの振動や衝撃で、中のヒビが石の表面に上がってくる時があるのです。

石留めをしている衝撃で割れる・・・
超音波洗浄の振動で割れる・・・
お客様からお預かりした、石をルーペで見るとすでに割れている・・・
本当に数え上げればきりがないくらい(笑)。

とりあえずエメラルドは「割れやすい石」だと考えておいて下さい。
エメラルドの指輪やネックレスなどで汚れてしまった場合は
まずは近くの宝石屋さんか購入されたお店に持って行かれることをお勧めします。
柔らかく泡立てた石けんで優しく洗われても良いのですが
エメラルドには、ほとんどがインクルージョンを目立たなくするための
「含浸処理」という処理が施されています。
石けんの成分によっては、含浸処理に使われているオイルや樹脂がぬけてしまう可能性もあるので・・。
まずは、専門の機関に聞いてみられる方が無難だと思います。
身につけている時も、強い衝撃がかからないように気をつけてあげて下さいね。

写真は、「トラピッチェエメラルド」と呼ばれているものです。
エメラルドが育つ時に別の結晶が形成されたもので
その形がさとうきびを絞る機械の歯車に似ていることから、このような名前が付いています。
歯車の入り方の美しさによって、値段が変わってきます。

こちらはエメラルドキャッツアイ。
石の真ん中に、猫の目のような綺麗な光の線が1本入っています。
こちらもとても希少な石です。

インクルージョンも、トラピッチェも、石の生まれる場所が作り出したエメラルドの個性です。
石の特性や性質を知って、友情を育むように。
宝石とも長くお付き合いしていただけたらと思います。

※写真は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.04.26

誕生石シリーズ ー4月「ダイヤモンド」ー

こんにちは。
今日は4月の誕生石「ダイヤモンド」のお話をしたいと思います。

ダイヤモンドの和名は「金剛石(こんごうせき)」と言います。
いかにも強そうなこの名前。
「ダイヤモンド」という言葉は、ギリシャ語で「adamas(アダマス)」という言葉が語源になっています。
これも「征服しがたいもの」という意味です。
ダイヤモンドの、他の宝石に類を見ない硬さと美しさから感じるものは世界共通なようです。

ダイヤモンドは、別名「白い炭素」とも呼ばれています。
同じ成分の鉱物である黒い「グラファイト(石墨)」と分けるために付けた名前ですが
同じ成分とはいえ、石墨とダイヤモンドには大きな隔たりがあります。

「白い炭素」と呼ばれるダイヤモンド

グラファイト(石墨)


写真はダイヤモンドとグラファイトです。
(グラファイトの写真はウィキペディアから引用させていただきました)
二つが例え同じ成分でも、石墨がダイヤモンドに姿を変えるには、最低でも摂氏2,000度で7万気圧以上の
条件が揃わないと変化しません。
このような条件が揃う場所は、地球内部の130km〜200kmの「マントル」と呼ばれている環境のみ。
それよりも浅い場所になると、白い炭素にはならず石墨としての形の方が安定するのです。

ではどうやって、ダイヤモンドが地表に現れたかというと、地殻変動です。
地球の大きなうねりによってダイヤモンドは、成分が不安定になる箇所を一気に通過しました。
美しさも、その生まれ方も唯一無二のダイヤモンド。
万人から愛されるのも分かる気がします。

そしてダイヤモンドといえば「無色透明」なものが重宝されていますが、実は色々な色があります。

写真は「電子線照射」という加工によって美しい青色になっています。
百貨店などのエンゲージリングの裏に入れたりする「ブルーダイヤモンド」には
ほぼこのダイヤモンドが使われています。


もちろん天然のダイヤモンドにも様々な色は存在します。

ファンシーカラーと呼ばれるダイヤモンド

これは全て天然のダイヤモンドです。
(写真は、書籍『価値がわかる宝石図鑑』より引用させていただきました)
こういうものは「ファンシーカラーダイヤモンド」と呼ばれ
無色透明のダイヤモンドよりも希少価値の高いものとして、大変高額で取引されています。
私も、ここまで色の鮮やかなダイヤモンドを実際に見たことはありません(笑)。

そしてこちらはブラックダイヤモンド。
男性にも身につけやすいとの事で、人気急上昇中です。
これは個人的な感想ですが、ブラックダイヤモンドは普通のダイヤモンドよりも脆いような気がします。
「ダイヤモンド=硬い」のイメージで、乱雑に扱うと、割と簡単に欠けてしまったり割れたりします。
ご使用の際は、充分に注意していただきたいと思います。

そしてこちらは、ダイヤモンドの原石です。
最近はナチュラルな石を好まれるお客様も多いので、このようなダイヤモンドも販売されるようになりました。
好みは分かれると思いますが、通常のブリリアントカットのダイヤモンドよりは輝きません。

お手入れの方法ですが。
ダイヤモンドは、比較的扱いやすい石です。
むしろ、ダイヤモンドと一緒に他の宝石をまとめて入れないでください。
他の宝石とぶつかった時に、宝石の方が割れてしまう可能性があります。

そして、ダイヤモンドには「親油性」という特徴があります。
文字の通り、油分が付着しやすいのです。
それは皮脂も同じ。ずっと身につけていると、ダイヤモンドが皮脂にまみれてくもってきます。
そういう時は、泡立てた石けんの泡で優しく洗って下さい。
石けん自体を擦り付けるのは避けてくださいね。石座の奥に石けんかすがつまってしまいます。
どうしても綺麗にならない場合は、購入されたお店にお持ちいただくのが一番良いと思います。
超音波洗浄機で洗えば、とても綺麗になります。

写真は、「誉ノ錺(ほまれノかざり)」のオーダーメイド作品
「ダイヤモンドのコンビエンゲージリング」です。
やっぱりダイヤモンドをちりばめるとゴージャスですね!

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.03.27

誕生石シリーズ ー3月「アクアマリン」ー

こんにちは。
今日は3月の誕生石「アクアマリン」のお話です。

アクアマリンの和名は「藍柱石(らんちゅうせき)」または「藍玉(らんぎょく)」と言います。
ヨーロッパでは、ラテン語で「海の水」を意味する名前として
古代から「アクアマリン」と呼ばれていました。
その海の水に溶け込んでしまうような色合いから、軍船団のお守りに使われることも多く
「インタリオ」という形式でアクアマリンの印章の指輪が多く作られました。

アクアマリンの鉱物名は「ベリル」です。
エメラルドと同じ鉱物です。
石の中に内包物が多く割れやすいエメラルドに対して、アクアマリンは比較的内包物が少ない石です。
そのため加工がしやすく、下図のような変わったカットをすることができます。

カービングを施したアクアマリン
様々な模様が彫り込まれている

産出国は、ブラジルが主です。
パキスタンやアフガニスタンでも大きな結晶が採れることもありますが
ブラジルで採れた石と比べると、少し色味が淡いのが特徴です。
また宝石の採れにくい日本でも、アクアマリンは例外的に採れる事があり
茨城県の山の尾や山梨県の黒平などでは、かなり美しいアクアマリンが、少量ながらも産出しました。

またアクアマリンには「ミルキーアクアマリン」という半透明のアクアマリンがあります。

半透明なアクアマリン

これは、原石から半透明の石で
柔らかな水色にミルクを溶かし込んだような色合いで、とても優しい印象の石です。
またミルキーアクアマリンの中にはキャッツアイ効果を示す石もあり、とても希少な石です。

キャッツアイ効果が浮かび上がる

アクアマリンのお手入れ方法ですが
温かい石鹸水などで洗ってもらうのが一番だと思います。
超音波洗浄機などは、もしかしたら目に見えないようなインクルージョンからヒビに発展する可能性があるので
十分に注意して下さい。
石自体はそこまで脆くはありませんが、やはり強い衝撃なども避けてください。

これからの季節、優しい色味のアクアマリンは、身につけているととても涼しげだと思います。
季節によって、身につける宝石を変えるのも楽しいかもしれませんね。

※写真は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.02.19

誕生石シリーズ ー2月「アメジスト」ー

こんにちは。
今日は2月の誕生石「アメジスト」のお話をしたいと思います。

アメジストの和名は「紫水晶(むらさきすいしょう)」です。
宝石に興味のない方でも、見れば
「この石見たことある!」となるアメジスト。
ジュエリーだけではなく、置物などにも用いられていて
非常にオーソドックスな石です。

その長い歴史の始まりは、1世紀までさかのぼります。
「ユダヤ古代史」という書物の中に
「Ahlamah(アーラマー)」という名前で紫色の水晶が登場しました。
それが最古のアメジストの文献です。

「アメジスト」という名前は、ギリシャ語の
「amethystos(アメテュストス、アメスィストス)」に由来していて
お酒の神様バッカスのいたずらで、石に変わってしまった少女
「amethyst」の名前が元になっています。

バッカスの名前にちなんで「バッカス・ストーン」とも呼ばれるアメジスト。
少女が、お酒の神バッカスのいいなりにならなかった事から
「アメジストを身につけているとお酒に酔わない」
という言い伝えまであり、アメジストの杯なども存在します。

ぶどうのような色合い

アメジストはその美しい紫色で、昔から人を魅了してきました。
薬のように粉末にして飲んだり、
お守りとして肌身離さず持ったり・・という使い方も
この色の生み出すヒーリング効果を期待しての事だったように思えます。

またアメジストは、石の中では比較的加工のしやすい石です。

このように溝をつけたり

お花の形にしたり

こんな面白いカットにもできるので、
ジュエリーのデザインの幅が広がります。

また、アメジストには2色の色が混ざった石も存在します。

これは「アメトリン」と呼ばれる石で
「アメジスト」と「シトリン(黄水晶)」が混ざり合った石です。
天然のものはとても貴重な石ですが、
最近のシトリンはアメジストを熱処理したものが多いので
人工的に「アメトリン」を作る事が可能です。

これは「バイカラーアメジスト」。
「アメジスト・ロッククリスタル」とも呼ばれています。
シトリンの代わりに、透明のクリスタル(水晶)が混ざり合った石です。
どちらも、とても幻想的ですね。

アメジストは、かつてはダイヤモンドやルビー、エメラルドとも並ぶ
最も貴重なジェムストーンの1つとされていたのですが
1700年代以降に沢山の大規模な鉱床が見つかってしまったため、
その希少価値は下がってしまいました。
でも、その美しさと親しみやすさで、今も沢山の人の目を楽しませています。

お手入れ方法ですが、アメジストの一番の特徴は
「紫外線に弱い」ということです。
長い時間太陽の当たる場所に置いておくと、
美しい紫色が褪せてしまったり薄くなってしまう可能性があります。
そして、アメジストは宝石の中では弱い石です。
例えばサファイアなどと一緒の箱に入れて、
石同士があたるとアメジストの方が割れてしまいます。
保管は、単独で。そして直射日光のあたらない場所においてあげて下さい。

もし石が汚れてしまったら、まずは優しく布で拭いてみてください。
それでもとれなかったら、柔らかい歯ブラシに水をつけてこすってください。
それぐらいならアメジストにも傷はつきません。

ただ、シルバー磨きの液体などにつけるのはやめてください。
表面に細かい傷がついて、輝きが損なわれてしまう原因になります。

日本では、古来から紫色は最も高貴な色として重宝されてきました。
アメジストの輝きに見合うような美しい人を目指すのも
とても素敵な事だと思いますが、いかがでしょうか。

※写真は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.01.29

誕生石シリーズ ー1月「ガーネット」ー

こんにちは。
新年最初のコラムは、1月の誕生石「ガーネット」のお話をしたいと思います。

ガーネットの和名は「石榴石(ざくろいし)」です。
昔の方は、特徴を掴まれるのが本当にうまい(笑)。
あの赤くて透明な実は、ガーネットにそっくりだと思います。
ちまたでよく知られているガーネットは
先にもお話した通り赤い透明な石ですが、
実はガーネットには様々な色が存在します。

これはパイロープガーネットです。
一番オーソドックスに「ガーネット」と呼ばれている色がこの色味です。
「パイロープ」という言葉は「火」を表すギリシャ語の
「Pyropos(ピロポス)」から名付けられました。
深い赤色が特徴の石です。
パイロープガーネットは小粒のものが多く、2カラットを超えるものは
ほとんどありません。
その為、小粒なものを沢山集合させたような
ブローチや指輪のデザインに使われています。

また、これとほぼ同じ色味のもので
「アルマンダイトガーネット」というものがあります。
これは、鉱物としての成分が違うだけで
色味だけで判断することはできません。

これはロードライトガーネットです。
ギリシャ語でバラを意味する「Rhodo(ロード)」と
石を意味する「Lithos(リトス)」に由来しています。
写真で見ても分かるようにパイロープガーネットと違い、赤紫色が特徴です。

これはスペサルティンガーネットと呼ばれるオレンジ色の石です。
二枚の写真を見てもらうとお分かりのように
オレンジ色にも様々な種類や濃淡があります。
みかんを思わせる鮮やかな色のものは
「マンダリンガーネット」とも呼ばれています。

これはグリーンガーネットです。
正式名称は「グリーン・グロッシュラー・ライト・ガーネット」と言います。
グロッシュラライトガーネットには
緑色の他にも、無色・黄色・茶色などがあります。
グリーンガーネットには、別名「ツァボライト」という名前もあります。

また「ディマントイドガーネット」という緑色のガーネットもあるのですが
こちらは鉱物の成分が違います。
そしてとても貴重なもので、あまり市場には出回っていません。
ダイヤモンドよりも分散光が強いので、その輝き方は強烈です。

お手入れ方法ですが、ガーネットは比較的扱いやすい石です。
ぬるま湯や、温かい石鹸水などで洗浄してもらえば問題はありません。
ただ、ディマントイドガーネットだけは、少し硬度が低くなりますので
取り扱いには注意して下さい。
もちろん、その他のガーネットも強い衝撃などには弱いですのでご注意を。


写真は、「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の作品
サファイアとマンダリンガーネットのリングです。
深みのある青色に、オレンジ色が映えてとても美しいです。

一口に「ガーネット」と言っても、その種類や色は千差万別です。
もちろん希少価値などによりその値段は変わりますが
「これは美しいなあ」と見とれるようなものを
選んでいただけたらと思います。

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。