カテゴリー: 石の紹介

2021.10.18

石のおうち「栖(スミカ)」シリーズ/

こんにちは。
京都は急に薄寒くなってきましたね。
このまま季節が移り変わるのでしょうか。
紅葉が楽しみですね。

今日は、最近投稿が続いている新しいシリーズ「栖(スミカ)」について
お話をさせていただきたいと思います。

とても簡潔に言いますと
「お手持ちの石を、指輪(ネックレス、ピアスなども可)に仕立てられるシリーズ」です。

「誉ノ錺(ほまれノかざり)」は、立ち上げ当初からオーダーメイドのご要望が多く
これまで、沢山のお客様のオーダーメイドを手がけさせていただきました。
そんな中で感じた事は
「こういう形を作りたい!」
と明確に持っていらっしゃるお客様は少ないと言う事。

そこで今回
「指輪にしたらこんな感じになりますよ」
と言う明確な形を、お客様に、事前に見せられたら良いなと思ったのが、このシリーズの始まりです。

「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の中で、「フルオーダーメイド」と「セミオーダーメイド」は区別しています。
今回の「栖(スミカ)」シリーズは、「セミオーダーメイド」に入ります。
「フルオーダーメイド」と「セミオーダーメイド」の違いは、また別のコラムで説明させていただきますね。

これまでにご紹介した「栖(スミカ)」シリーズです。。


「栖(スミカ)#1」←クリックするとページに飛びます。 
ロンドンブルートパーズ、ダイヤモンド


「栖(スミカ)#2」←クリックするとページに飛びます。  
ピンクトルマリン、シトリン


「栖(スミカ)#3」←クリックするとページに飛びます。  
ブルートパーズ、サファイア


「栖(スミカ)#4」←クリックするとページに飛びます。  
エメラルド、ダイヤモンド、ペリドット 
 
この指輪達の中心の石を、お手持ちの石に差し替える事ができます。  
もちろん脇の石も、中心の石に合わせて変更出来ます。  
  
SNSで見かける石好きの方達の投稿は、石に対する愛情がひしひしと伝わってくるものばかりでした。 
そして残念な事に、投稿の中には 
「オーダーをして失敗した」 
と言う投稿も見るようになりました。 
 
・自分の石を勝手に差し替えられた
・お問い合わせの返事がいつまで経っても来なかった
・頼んでいた指輪のサイズが違った

「誉ノ錺(ほまれノかざり)」で、このようなトラブルになった事は一度もありませんが
どんな業界にもいるように、一定数の悪質な業者は存在します。

可愛がっている石達が、安心して落ち着いて暮らせる「すみか」が見つかってくれれば良いなと
心から思います。

今回、コラムを書いたのは、ここが一旦の折り返し地点だからです。
これから、それぞれの「栖(スミカ)」の色違いバージョンを投稿していきます。
(このコラムの表紙の写真は、「栖(スミカ)#1」の色違いバージョンです)

「石が変わるだけで、指輪の表情がここまで変わるんだ!」
と言う実感を感じていただければと思います。
「これが私の持ってるあの石だったら・・・」
と、ワクワクしながら想像していただけると嬉しいです!

最後になりましたが、この「栖(スミカ)」シリーズは
もちろん、このままの形の指輪ででも販売しています(笑)。

HPに、それぞれ
「Pt900でお作りした場合」
「18金イエローゴールドでお作りした場合」
「シルバー925でお作りした場合」
の金額が載っていますので、ぜひご覧下さいませ。

「石が好き」と言う想いは、私も全く一緒です。
その想いが、嫌な体験で曇らないように
「誉ノ錺(ほまれノかざり)」は、これからも丁寧に対応させていただきます。
新しいシリーズ「栖(スミカ)」を、どうぞよろしくお願いいたします。

2021.03.03

大切な友達が運んでくれた「小さな絵の展覧会」シリーズ/

こんにちは。
今日は、前回発表しました「小さな絵の展覧会」シリーズについて
少しお話をしたいと思います。

先日、「誉ノ錺(ほまれノかざり)」から出た新作
「小さな絵の展覧会」シリーズ「庭園の午睡(ひるね)」
これは、元々は私がひねり出した案ではありませんでした。

私には大切なお友達がいます。
「KAKERA KNIT(カケラニット)」というニット商品の
デザイン・製作をされているタカさん。

今は新潟を本拠地にされているのですが
ふらっと京都に現れては、新潟の新米を私の家の前に置いていったり
おかきの袋をくれたり(笑)。
正に風のような人なのです。

そんな彼が、世界中を巡って受けたインスピレーションから紡ぎ出すニットの数々が
本当に美しい色合いばかりで。
私はずっと、彼の感性の鋭さと、感受性の豊かさに憧れていました。

その日もふらりとお店に現れたタカさん。


「誉ノ錺(ほまれノかざり)」では、お店でこんな風に石達を飾っているのですが
彼はそれを、興味深げに眺めてこう仰いました。
「どれも綺麗やなあ。小さい絵の展覧会みたいにして並べたらええのに」と。

それが「小さな絵の展覧会」シリーズの始まりでした。
「タカさん。その考えちょうだい!」と叫んだ事を、今もよく覚えています(笑)。

ずっと、私を魅了して来た宝物のような石達。
でもそのままの美しさだけでは物足りず
石達を、もっと引き立てるようなデザインにしたいと考えていたのですが
明確な答えは出せずにいました。

タカさんの言葉で、石達の模様を更に引き立てる「額縁」を作ろうと思い付きました。

このシリーズは、基本、石は全て一点ものです。
今回の石は「苔入り水晶」という石ですが
これからも不思議な絵のような石達を、沢山紹介していけたらと思います。

お買い上げいただいたお客様には、それぞれの石の大きさに合わせて制作した
小さなイーゼルも、一緒にプレゼントさせていただきます。

そのまま眺めて楽しんで頂いても良いですし
指輪やネックレス、ブレスレットやブローチなどへの加工も承らせていただきます。

石を引き立てながらも、でしゃばりすぎないデザインを考えるのはなかなか難しい事です。
でも、石を引き立てられる新しいデザインの在り方を、自分なりに探ってみたいと思います。

これからも「小さな絵の展覧会」シリーズをよろしくお願いいたします。

そしてタカさん、また会った時に素敵な旅の話を聞かせてね。
いつも楽しませてくれてありがとう。

2019.10.02

無事に終えることができました/

こんにちは。
10月に突入ですね。今年は1年が早いです。
ほんっとうに早いです(笑)。
きっと、新しい試みや新しい人達に沢山会えて、充実していたからだと思います。
年末の挨拶みたいになってしまいましたね(笑)。

そして「誉ノ錺(ほまれノかざり)」にとってこれも初の試みだった
「ルース展示販売会&ジュエリーオーダー会」
9月29日に、無事終えることが出来ました。

今年の6月頃に、beautiful stone様からお声がけをいただき。
7月には下見にわざわざ横浜から来て下さり。
ああでもないこうでもないと試行錯誤し続け、時には掃除が嫌すぎて泣いて(笑)
あっという間に終わりました。

展示会当日、日頃は居住空間として使っているスペースまで解放しました。

1つ1つ丁寧にパッケージングされた石達。

色とりどりの石があって、キラキラ好きとしては喉から手が出るほど欲しい(笑)。

いつもは店舗として使っている空間は、石を吟味する場所として使っていただきました。

皆さま真剣そのものです。

展示場所に戻ったり、見ている石を取り替えたり。

今回とても印象的だったのは、お客様の石に対する想いです。
最初beautiful stone様と、1枠ごとの時間を「2時間」半ずつにすると決めた時
正直「若干長いかな・・・」と思っていました。
でも、どの枠の皆さまもきっちり2時間半いらっしゃる!
その間、ずっと石をご覧になっているのです。
「天然石」と言うものの魅力を、再確認できた1日でもありました。

最近、Twitterなどで色石がブームになっているようです。
テレビ番組「マツコの知らない世界」でも色石が紹介されていましたよね。
私達ジュエリーに携わる者としては、とても嬉しい流れだと思います。

でもその反面、石に詳しくない業者から購入してトラブルになったケースなどの
話も聞くようになりました。

「色石」と言う分野は、10年以上このお仕事をして来た私でも
手に負えないほど難しい分野だと思っています。
30年職人をして来た人でも、見間違うことがあります。
そして石は決して「硬い」物ではありません。
強く叩きつけたりすると、劈開によってはサファイアでも割れます。

よくお客様から、持ち込まれた石を
「この石は何?サファイア?」
などと聞かれることがあるのですが
極力その場では答えず、正確な鑑別をお勧めしています。
色や輝き方を目視するだけでは、その石のはっきりとした素性は分からないのです。

せっかく色石を好きになって下さった方達の気持ちをがっかりさせないように。
これからも「誉ノ錺(ほまれノかざり)」は、できるだけ正確な情報をお客様にお伝えしていきたいと思っています。
何かわからない事があれば、どうぞお問い合わせ下さいね。
手を尽くして、調べさせていただきますので。

美しいものを愛でる心は、この時代にとても大事な要素だと思います。
beautiful stone様の、石に向き合う真摯な気持ちを見せていただき
また来年も、第二弾を開けたら良いねとお話しました。
その時は、またここでご紹介したいと思います。
どうぞ楽しみにお待ち下さい。

コラムの画像は、今回のお客様が気に入ってご購入下さった「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の商品
「mignon ーこねこー」の後ろ足です(笑)。
猫の商品も、もっと作りたいなあ・・・。

2019.08.21

色石でここまで変わります

こんにちは。
「誉ノ錺(ほまれノかざり)」のある、ここ京都では
毎日厳しい暑さ(たまにゲリラ豪雨)が続いております・・。

もうそろそろ暑さもお腹いっぱいな感じですが。
前回のコラムでご紹介しました
「ルース展示販売会&ジュエリーオーダー会」
も、約1ヶ月先に迫ってまいりました。

今日は、「ルース」によってジュエリーがここまで変わるという良い例を
いくつかご紹介させていただきたいと思います。

今年に入ってから
「既存のネックレスの中心の石を、別の石に変更したい」というオーダーが、いくつかありました。
正直、どんな風に仕上がるのか未知の部分があったのですが
これがまた良い感じに仕上がりまして。

これは「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の商品「百花」のピンクゴールドバージョンです。
真ん中にペリドットを留めて、爽やかな印象に仕上げています。

これが、今回オーダーをいただいた中心をアクアマリンにしたバージョンです。

ペリドットの時とはまた違う、柔らかい雰囲気が出ていると思います。
アクアマリンの色に合わせて、周りのカラーサファイアの色味も変更しました。

これは「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の商品「明けの明星」です。
サファイアとオパールの上品な輝きが、胸元をクールに演出してくれます。

これが、中心をペリドットに変更したバージョンです。

何か、ノスタルジックな感情を思い起こさせるような、柔らかい雰囲気に仕上がっています。
オパールとの相乗効果もバッチリですね。

こういうお仕事が来た時、毎回色石の持つ力に圧倒されてしまいます。
「これはさすがに合わないやろう」と思う組み合わせも、びっくりするほどしっくりきたり。
自然から生まれた石達には、合う合わないなんてないのかもしれません。
デザイナーとして、とても勉強になるお仕事でした。

9月29日の「ルース展示販売会&ジュエリーオーダー会」でも、ルースを見ながら
「この石とこの石を組み合わせたらどうだろう」
と、いろいろ楽しんでいただけたらなと思います。

「ルース展示販売会&ジュエリーオーダー会」は、まだ若干お席に空きがあります。
どうぞお気軽に「誉ノ錺(ほまれノかざり)」までお問い合わせ下さいね。

こちらがbeautiful stone様が書いてくださった展示会の記事です。
↓↓↓↓↓
清水五条 展示販売会&ジュエリーオーダー会

2019.07.04

ルースの展示販売会とジュエリーオーダー会を開/

こんにちは。
石をこよなく愛する筆者ですが(だからこの仕事は天職です)
この度、とても素敵な企画を「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の店舗でさせて頂くことになりました。

その名も「ルース展示販売会&ジュエリーオーダー会」。
これは、インスタグラムでご活躍されているbeautiful stone様からのお声がけにより
実現した「誉ノ錺(ほまれノかざり)」にとって初めての試みになります。

<詳細>
日時:2019年9月29日
時間:入れ替え制/各2時間30分
①10:30〜13:00 5名/6名
②13:30〜16:00 4名/6名
③16:30〜19:00 4名/6名
(9月27日現在)

店舗の容量を考えると、最高でも6名が限界なので、今回は三部構成にしてみました。
すでに14名のご予約をいただいております。
ありがとうございます。

beautiful stone様のお持ちの石を、ここで少しだけご紹介します。

紫色が鮮やかななパープルスピネル。

七色に輝くウォーターオパール。

薄緑の涼しげな石。ミントグリーンガーネット。

青の発色が独特な色味のベニトアイト。

これは、私も現物を見せていただきました。
オパールとはまた違う、七色の素晴らしい輝きです。

beautiful stone様のお持ちの石は、まだまだこんなものではありません。
詳しくはbeautiful stone様のインスタグラムをご覧下さい.
↓↓↓↓↓
M-コレクションズ-天然石ルース・ジュエリールース

beautiful stone様の石に対する熱い想いは、実際にお話を聞く価値ありだと思います。

こちらがbeautiful stone様が書いてくださった展示会の記事です。
↓↓↓↓↓
清水五条 展示販売会&ジュエリーオーダー会

ずっとこのお仕事をしながら「石自体を好きな方とも出会ってみたい」
と思っておりました。
そして念願が叶い、先日beautiful stone様の展示会に足を運ばせていただき
そこのお客様とお話をする機会にも恵まれました。

皆様、石に対する愛情がすごい!
私も大概のキラキラ好きだと思っておりましたが、正直桁違いでした(笑)。
そして、そんな中で聞いたお客様の
「いつかはジュエリーにして身に着けたいと思いながら、ルースばかりが増えていきます」
というお言葉。
「誉ノ錺(ほまれノかざり)」が本領を発揮できるのはこの部分だ!と思いました。

当日は、あくまで石たちの展示販売会がメインです。
石を購入したら絶対にオーダーをしなければ・・という事ではありません(笑)。

「この石は何に仕立てれば良い?」
「この石に合う色味の石は?または金属は?」
などのご質問に応えるために、当日は常駐しております。

ご興味のある方はコチラから、お気軽にお問い合わせください。
↓↓↓↓↓
誉ノ錺(ほまれノかざり)店舗紹介ページ

店舗には「誉ノ錺(ほまれノかざり)」イチオシの「華真珠」のルースも沢山ご用意しております。

美しいものを見て、優雅なひと時をどうぞお過ごしください。

2019.06.05

石の存在感について

こんにちは。
日々のお仕事に追われて、なかなかコラムにまで手が伸びなかったのですが
沈黙を守っていた間も、石は着々と仕入れておりました(笑)。

今回は、変わった表情の石達を沢山ご紹介したいと思います。

ジュエリー業界では「高い=良い石」と言うイメージもありがちですが
私は、そんな事もないと思っています。

ジュエリーを「資産」として所用するのではなく「お気に入りのアート」として楽しむと考えた時
選択肢は無限大に広がるのではないでしょうか?

こちらは「ガーデンクォーツ」と言う水晶です。
水晶の中に不純物が沢山混じっていて、それが庭の景色のように見える事が由来の名前です。
ところどころに七色が入っていてとても綺麗。

これは「デントライトメノウ」と呼ばれているメノウです。
海藻?葉っぱ?のように見える部分も、れっきとした結晶物です。
冬の窓に付く霜の雪片も、この一種だそうですよ。

石の下の方に、お花のような模様が!
何だか野原の風景のようにも見えますね。

これもデントライトメノウです。
近くによると・・・

雲から、雨が降っているように見えませんか?

そして、こちらもデントライトメノウです。
中心に可憐なお花が咲いています!

これもデントライトメノウです。
私には、鳥が遠くに向かって飛んでいってるような雰囲気に感じたのですが
皆様はいかがでしょうか?

これは「ピクチャーメノウ」と呼ばれているメノウです。
元々メノウには、石の断面にとても複雑な色の層があり
それを風景に見えるように切り取ったのがこの石達です。

砂漠の岸壁の風景を、石の中に閉じ込めたようですね。

これもピクチャーメノウです。
先ほどの石とは、色味がうって変わって幻想的。
緑色のもやの中に、大きな山脈がそびえているように見えます。

これは「結晶メノウ」と呼ばれているものです。
結晶がそのまま突出している箇所があります。

下側の石の中に点在している緑色も美しい・・・。
これはもう「風景」ではなく、山脈のミニチュアですね(笑)。

「誉ノ錺(ほまれノかざり)」では、こういった個性的な石の魅力を
最大限に活かしたデザインを製作中です。

「ジュエリー」といった「身に付けるもの」だけではなくて
「見て楽しむもの」にも昇華させていきたいと思っています。
どうぞ楽しみにお待ちくださいね。

2017.10.31

誕生石シリーズ ー10月「オパール」ー

こんにちは。
今日は10月の誕生石「オパール」のお話です。

オパールの和名は「蛋白石(たんぱくせき)」と言います。
オパールはギリシア、ローマ時代に上層階級で特に愛されていた宝石でした。
当時はサンスクリット語で「upala(ウパラ)」と呼ばれていました。
これは「最上の宝石」という意味です。

当時の人達は、オパールがなぜ七色にキラキラと光るか解明できていませんでした。
そこでオパールの中に、赤・黄色・紫・青色など
様々な小さな宝石の粒が詰まっている特別な石だと考えられていたようです。
なるほど。それなら「ウパラ」と呼んでしまうのもうなづけますね。
私もそんな石があるなら欲しいです(笑)。

オパールが七色に美しく光るのは、この鉱物の持つ、独特な構造のためです。
「珪酸」という、見えないぐらいの小さな球が無数に集まっていて
それが三次元的に整然と積み重なると、光がその球の隙間を通過する時に
虹色に分かれて光ります。
球のサイズがばらばらだったり、積み重なり方が乱れていると光りません。
この七色の光がキラキラと光る様を「遊色効果」と言います。

遊色効果の美しいホワイトオパール

これがおなじみのオパール。
白の中に、様々な色が浮かびあがっています。

青と緑色の遊色効果

これはブラックオパールです。
青と緑の光が印象的ですね。

オレンジオパール

これはオレンジ色のオパール。 暖かい色味です。

そしてオパールの中には、七色に光らないものもあります。
光らないオパール全般は、「コモンオパール」と呼ばれていますが
遊色効果を持つ石よりは、宝石として扱われることは少ないようです。
個人的には美しい色のコモンオパールが沢山あるので、それはそれでとても好きなのですが。
市場価値は定まらないといったところでしょうか。

コモンオパールのオレンジ
コモンオパールのピンク
コモンオパールのイエロー
コモンオパールの緑

オパールには、合成石が多いことでも有名です。
中でも有名なのは、京セラが作った「京都オパール」です。
京セラには、進んだ宝石合成技術部門があり、こんな美しいものもできてしまいます。

合成オパールの色見本

※この画像は、京セラさんのサイトから引用させていただきました。

この技術のおかげで、遊色効果のある合成オパールを、安価で色々な製品に
組み込んだりも出来るようになりました。
今の時代、宝石も時間をかければ作れてしまうのです。
科学の進歩って、本当に凄まじいですね・・・。

さてオパールのお手入れ方法なのですが。
実は、オパールには様々な種類があります。
そして産出国やその種類によって、乾燥に弱かったり、水分を吸収して変色したりします。
一番良いのは、ご購入されたお店に持ち込むことですが
鑑別をとってみることもお勧めします。

天然のブラックオパールなどは、柔らかい布で拭いてもらっても構いません。
オーストラリア産のホワイトオパールは、ブラックオパールなどよりは水を
多めに含んでいますので、夏場の直射日光下や熱が極端にこもったり
乾燥がきついような場所には、長時間置かないでください。
あとは、柔らかい布で拭いたり水で優しく洗ってもらっても問題ありません。
ただし、超音波洗浄機は避けて下さいね。
オパールは「宝石」としてもですが「鉱物」として愛されている方達も多いです。
それは、一言で「オパール」と言っても、性質の全く違う石が多いという事です。
これを機会に、お持ちのオパールの素性を調べて見られるのも面白いのではないでしょうか?

※写真は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.09.29

誕生石シリーズ ー9月「サファイア」ー

こんにちは。
今日は9月の誕生石「サファイア」のお話です。

サファイアの和名は「青玉(せいぎょく)」と言います。
7月の誕生石「紅玉」と対になるような名前です。
誕生石シリーズ ー7月「ルビー」ーでお話ししたように
ルビーとサファイアは同じ鉱物です。
鉱物の中に含まれている成分が少し違うだけで、こんなにも色が違うなんて
自然の力は計り知れませんね。

古代のペルシアでは、人間が住む大地はサファイアで出来ていて
大地に反射した太陽の光が、空の青さを作り出していると考えられていました。
すごい想像力です(笑)。
「サファイア」の語源は「青」を意味するラテン語の「sapphirus(サッピールス)」
ですがこの言葉は、以前ラピスラズリも指す言葉として用いられていたようです。

そんな「青色」を代表しているかのように扱われているサファイアですが
実は、様々な色のサファイアが存在しています。

そもそも「コランダム」という同じ鉱物であるサファイアとルビー。
「青」と「赤」という両極端の色を持つ鉱物ですから、多種多様な色があるのも頷ける話です。

ブルーサファイア

これは同じみのブルーサファイアです。
底の底までのぞき込めるような深い青色は、サファイアならではの美しさです。

オレンジサファイア

これはオレンジサファイア。緋色にも近いような不思議な色です。

グリーンサファイア

これはグリーンサファイアです。
この石は、少しだけ黄色が混じっている希少な石です。

パープルサファイア

これはパープルサファイア。紫色がアメジストのように濃いですが
反射光が鮮やかなのはさすがです。

ピンクサファイア

これはピンクサファイアです。パープルサファイアとはまた異なる明るいピンク色です。

ブラックスターサファイア

これはブラックスターサファイアです。石の表面にくっきりとスターが現れています。
男性用のジュエリーなどに使用すると、独特の華やかさを演出してくれるのではないでしょうか。

パパラチアサファイア

そしてこれが、パパラチアサファイアと呼ばれるものです。

サファイアの色には、特別希少とされている色が2種類あります。
1つは「コーンフラワー・ブルー(矢車菊の青)」と呼ばれる青色。
そしてもう1つは「パパラチア・ピンク(蓮の花のピンク)」と呼ばれるピンク色なのです。

上のピンクサファイアと比べて見てください。
ピンク色でもない、オレンジ色でもない、とても複雑な色味ですね。
「蓮の花」という表現がぴったりな気がします。
そんなパパラチアサファイアは、希少性が高く、大きな原石がなかなか産出されないことから
世界で最も高価なジェムストーンの1つともされています。
石好きの私としては、死ぬまでにひとつは欲しいなと思ってしまいます(笑)。

さて、サファイアのお手入れ方法ですが
ダイヤモンドの次に硬いこの石は、比較的お手入れが簡単です。
超音波洗浄にも耐えられるので、汚れてしまったら
購入されたお店にお持ちいただくのも良いかもしれません。

ご家庭でなら、泡立てた石けんの泡で包み
歯ブラシなどで優しく擦っていただくと汚れが浮き上がってきますので
よく水洗いして乾かせば、美しい輝きを取り戻してくれます。

ただ1つだけ気をつけていただきたいのは
目に見えるようなヒビや傷がある場合は、超音波洗浄や歯ブラシなどは避けて下さい。
どんな小さな衝撃でも、そのヒビが広がり割れてしまうとも限りませんので。

サファイアとマンダリンガーネットの指輪

写真は、「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の作品
「サファイアとマンダリンガーネットの指輪」です。
中心の青い石も、その上下の黄色い石も、左右の薄い青色の石も、すべてサファイアを使用しています。

サファイアの青色を見ていると、何となく心がすっと落ち着くような気がします。
秋の夜長の、落ち着いた時間にぴったりな、美しい澄んだ青色です。

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.08.29

誕生石シリーズ ー8月「ペリドット」ー

こんにちは。
今日は8月の誕生石「ペリドット」のお話です。

ペリドットの和名は「橄欖石(かんらんせき)」と言います。
ペリドットの一番の魅力は、何と言っても鮮やかな緑色です。

瑞々しい色味を感じさせる。

ペリドットは「クレオパトラが愛した宝石の1つ」だと言われています。
太陽神を信仰していた古代エジプトの人達は、この美しい黄緑色の中に
太陽の煌めきが閉じ込められていると考えていました。
暗がりの中でも、かなり強い輝きを示すペリドットは
「イブニング・エメラルド」という異名まで持っています。

そしてペリドットの鉱物名は「オリビン」です。
これはオリーブの実に色が似ているところから、ラテン語を語源として命名されたものです。
ペリドットは、オリビン鉱物グループに属する「フォルステライト(マグネシア橄欖石)」と
「ファヤライト(鉄橄欖石)」のが混じり合ったものだと考えられています。
フォルステライト(マグネシア橄欖石)に近いものは、黄緑から緑色が強くなり
ファヤライト(鉄橄欖石)に近くなる程、褐色が強くなったり黒味がかかったりします。

黄緑色が美しいペリドット。
深みのある褐色のかかったペリドット。
カボションカットにすると、また違う表情に。

鉱物に含まれている微量な成分によって、宝石は様々な色味を見せてくれます。
これこそが、自然の神秘と呼べるものなのかもしれません。

お手入れ方法ですが、ペリドットは超音波洗浄はお勧めしません。
石にもよりますが、インクルージョンが入っていることも多く
そこからヒビが入って割れてしまう可能性があります。
石けんを泡立てて、その泡で優しく洗えば、表面の汚れは取りのぞけます。
硬度もそこまで高くはないので、ダイヤモンドなどのジュエリーとはぶつからないようにしてくださいね。

夏にぴったりの涼やかな色を持つペリドット。
おしゃれを楽しむ気も失せてしまう京都の夏ですが
こんな涼しげな色の石なら、身に付けても良いかなと思えます。
「誉ノ錺(ほまれノかざり)」からも、ペリドットの作品を出していきたいと思います。

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。