カテゴリー: 商品紹介

2017.04.26

誕生石シリーズ ー6月「パール」ー

こんにちは。
今日は6月の誕生石「パール」のお話をしたいと思います。

パールの和名はもちろん「真珠(しんじゅ)」です。
有機物からできている、珍しいジェムストーンと言えます。
生きた貝の中から見つかるパールは、昔から極めて不思議なものとして考えられてきました。
「貝の中に月の雫が宿った」
「貝が人魚の涙を飲み込んだ」
などと言われた最もな理由の一つは、その内側からふわりと滲み出るような独特の輝きのためだと思います。
その柔らかい輝きは、沢山の人を魅了し、日本では冠婚葬祭の欠かせないアイテムにもなっています。

実はパールは、5世紀の初めには中国で人為的に作る試みがなされていました。
それは湖に生息している「カラスガイ」という貝を使った
殻の内側にへばりついた状態の真珠だったそうです。
1740年代にも1880年代にも、養殖真珠を作る試みは世界で行われてきました。
でも、そのどれもが生産を安定させることはできませんでした。

そんな中、この歴史を変えたのは「御木本幸吉(みきもとこうきち)」さん。
有名なジュエリーブランド「ミキモト」の創業者です。
彼の考案した養殖真珠の技法のおかげで、安定した真珠の供給ができるようになりました。

パールには「海水パール」と「淡水パール」に大きく分けられます。
昔は「海水パール(あこやパール)」が一番価値の高いものとされていたようですが。
私は正直なところ、あまりそうは思いません。
最近では、淡水パールの中でもとても美しいパールが存在します。
テリ、ツヤ共に淡水パールの中でも群を抜いて美しいものを「湖水パール」と呼んでいます。
たまに百貨店などにも出展されていますので、一度ご覧いただけたらと思います。

南洋パールと呼ばれるパール

核を持たない黒蝶パール

様々な色を持つ淡水パール

湖水パールと呼ばれる淡水パールの最高峰

そして、デザイナーとして思うことは
「パールはデザインが難しい」ということです。
理由は様々あると思いますが、私が感じるのは
・日本人の中にある「パール=冠婚葬祭にだけつけるもの」という観念が強い
・人工パール(コットンパールなども含む)などの人気で、高額な本物のパール自体の売れゆきが厳しい
という2点です。

この写真は「誉ノ錺(ほまれノかざり)」でイチオシしている「華真珠」というパールです。
詳しい内容はコラム「華真珠について」を読んでいただけたらと思うのですが
この華真珠をご覧になったお客様の中には
「せっかくの美しいパールの表面をカットしてしまうなんて勿体無い」
と仰られる方もいらっしゃいます。
私などは「とにかく美しければいい」という考えなのですが、そういうお言葉を聞くたびに
「日本人の中にある『真珠』のイメージを壊すのは難しいな・・・」
と思います。

実はパールは、カジュアルに着けても清楚な雰囲気を残してくれるとても貴重なアイテムなのです。
でも、正直、カジュアルでおしゃれなパールのデザインを手がけているブランドはあまり多くありません。
デザイナーとして、パールについた固定概念に、一生かけて立ち向かっていこうと思います(笑)。

一粒の光ネックレス

写真は「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の作品「一粒の光 シンプルネックレス」です。
パール独特の清楚な輝きは残しながら、華やかさも感じられるネックレスです。

そしてパールのお手入れ方法ですが。
パールは石ではありません。極端に言うと貝に近いのです。
水の中から生まれていますが、水にはすこぶる弱いです!
パールの指輪をつけたままお皿洗いをしたり
汗のついたネックレスをじゃぶじゃぶ水で洗うのはお勧めできません。

パールは、電子顕微鏡でしか見ることのできない、ごくごく小さなカルシウム結晶の一つずつが
たんぱく質の薄いシートに包まれ、それが何千億と集まってあの美しい色と輝きを放っています。
なので、温度が高かったり、水分が残ったりしていると、たやすく変色してしまいます。

お皿を洗う時は、パールの指輪は外す。
汗がついたネックレスは、柔らかい布で丁寧に拭き取る
などしていただけたらと思います。
また、使い続けて曇ってしまったパールも、業者に出せば「クリーニング」をしてくれるようですが
お金はかかってしまいます。
日頃のちょっとしたお手入れで、パールはその輝きを長く保つことができますので
どうぞ丁寧に扱ってあげてください。

またパールの硬度は2.5〜4.5と非常に柔らかい(もろい)ものです。
ダイヤモンドや、サファイアのジュエリーと一緒の箱には入れないでくださいね。
パールとダイヤモンドやサファイアが当たると、パールに傷がついてしまいます。

パールは、どの石とも比べられないような、独特の輝きを放つ美しいものです。
繊細であることは間違いありませんし、お手入れも人工のパールよりは大変かもしれません。
でも、長い時間海の中で貝が抱き続けた結果、あの奇跡のような美しさが生まれています。
生命の神秘に思いを馳せながら丁寧にお手入れをして、上質な時間を体験してみてください。

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.05.30

誕生石シリーズ ー5月「エメラルド」ー

こんにちは。
今日は5月の誕生石「エメラルド」のお話をしたいと思います。

エメラルドの和名は「翠玉(すいぎょく)」「翠緑玉(すいぎょくりょく)」
「緑柱石(りょくちゅうせき)」などと呼ばれています。
5月という爽やかな季節にふさわしい緑色の美しい石です。
エメラルドの鉱物名は「ベリル」と言います。
3月の誕生石でもある「アクアマリン」も、このベリルに属しています。

古代の人々は、「緑色の石には大地の精霊のパワーが宿っている」と信じていました。
その当時は緑色の石をまとめて、ラテン語で「smaragdus(スマラグドス)」と呼んでいましたが
その中には、エメラルドでない石も含まれていたようです。
その後ギリシア語やペルシャ語を経て、英語である「Emerald(エメラルド)」になりますが
これは「最高のスマラグドス(緑の石)」に与えられた称号とも言えるでしょう。

美しい緑色

エメラルドの美しい緑色の主成分は「クロム」です。
このクロムとエメラルドが育つ条件から、エメラルドの内部には多くのインクルージョンが内包されています。
「インクルージョン」とは、鉱物に入っている液体や小さな結晶などのことです。

薄黒いモヤのように見えているインクルージョン
端に白っぽいインクルージョンが見える

エメラルドにインクルージョンが多く発生するのは、エメラルドの最大の特徴とも言えます。
「インクルージョンのないエメラルドを探すのは、砂場に落とした1本の針を探すようなもの」
だと言われるほど。
そこで生まれたのが「mossy(モッシー)、jardin(ジャルダン)」というような愛称です。
mossyは「苔むした、苔の生えた」という意味で、jardinは「庭」という意味です。
石の中に庭があるというのはロマンティックな表現ですね。

ただ、このロマンティックなインクルージョンですが。
実はこれ、制作側としては命取りになります。
「職人泣かせの石」だと、私は思っています(笑)。
インクルージョンが沢山含まれている石と言うのは、基本的に衝撃にとても弱いです。
石の内部に、沢山のヒビがすでに入っているようなイメージです。
少しの振動や衝撃で、中のヒビが石の表面に上がってくる時があるのです。

石留めをしている衝撃で割れる・・・
超音波洗浄の振動で割れる・・・
お客様からお預かりした、石をルーペで見るとすでに割れている・・・
本当に数え上げればきりがないくらい(笑)。

とりあえずエメラルドは「割れやすい石」だと考えておいて下さい。
エメラルドの指輪やネックレスなどで汚れてしまった場合は
まずは近くの宝石屋さんか購入されたお店に持って行かれることをお勧めします。
柔らかく泡立てた石けんで優しく洗われても良いのですが
エメラルドには、ほとんどがインクルージョンを目立たなくするための
「含浸処理」という処理が施されています。
石けんの成分によっては、含浸処理に使われているオイルや樹脂がぬけてしまう可能性もあるので・・。
まずは、専門の機関に聞いてみられる方が無難だと思います。
身につけている時も、強い衝撃がかからないように気をつけてあげて下さいね。

写真は、「トラピッチェエメラルド」と呼ばれているものです。
エメラルドが育つ時に別の結晶が形成されたもので
その形がさとうきびを絞る機械の歯車に似ていることから、このような名前が付いています。
歯車の入り方の美しさによって、値段が変わってきます。

こちらはエメラルドキャッツアイ。
石の真ん中に、猫の目のような綺麗な光の線が1本入っています。
こちらもとても希少な石です。

インクルージョンも、トラピッチェも、石の生まれる場所が作り出したエメラルドの個性です。
石の特性や性質を知って、友情を育むように。
宝石とも長くお付き合いしていただけたらと思います。

※写真は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.04.26

誕生石シリーズ ー4月「ダイヤモンド」ー

こんにちは。
今日は4月の誕生石「ダイヤモンド」のお話をしたいと思います。

ダイヤモンドの和名は「金剛石(こんごうせき)」と言います。
いかにも強そうなこの名前。
「ダイヤモンド」という言葉は、ギリシャ語で「adamas(アダマス)」という言葉が語源になっています。
これも「征服しがたいもの」という意味です。
ダイヤモンドの、他の宝石に類を見ない硬さと美しさから感じるものは世界共通なようです。

ダイヤモンドは、別名「白い炭素」とも呼ばれています。
同じ成分の鉱物である黒い「グラファイト(石墨)」と分けるために付けた名前ですが
同じ成分とはいえ、石墨とダイヤモンドには大きな隔たりがあります。

「白い炭素」と呼ばれるダイヤモンド

グラファイト(石墨)


写真はダイヤモンドとグラファイトです。
(グラファイトの写真はウィキペディアから引用させていただきました)
二つが例え同じ成分でも、石墨がダイヤモンドに姿を変えるには、最低でも摂氏2,000度で7万気圧以上の
条件が揃わないと変化しません。
このような条件が揃う場所は、地球内部の130km〜200kmの「マントル」と呼ばれている環境のみ。
それよりも浅い場所になると、白い炭素にはならず石墨としての形の方が安定するのです。

ではどうやって、ダイヤモンドが地表に現れたかというと、地殻変動です。
地球の大きなうねりによってダイヤモンドは、成分が不安定になる箇所を一気に通過しました。
美しさも、その生まれ方も唯一無二のダイヤモンド。
万人から愛されるのも分かる気がします。

そしてダイヤモンドといえば「無色透明」なものが重宝されていますが、実は色々な色があります。

写真は「電子線照射」という加工によって美しい青色になっています。
百貨店などのエンゲージリングの裏に入れたりする「ブルーダイヤモンド」には
ほぼこのダイヤモンドが使われています。


もちろん天然のダイヤモンドにも様々な色は存在します。

ファンシーカラーと呼ばれるダイヤモンド

これは全て天然のダイヤモンドです。
(写真は、書籍『価値がわかる宝石図鑑』より引用させていただきました)
こういうものは「ファンシーカラーダイヤモンド」と呼ばれ
無色透明のダイヤモンドよりも希少価値の高いものとして、大変高額で取引されています。
私も、ここまで色の鮮やかなダイヤモンドを実際に見たことはありません(笑)。

そしてこちらはブラックダイヤモンド。
男性にも身につけやすいとの事で、人気急上昇中です。
これは個人的な感想ですが、ブラックダイヤモンドは普通のダイヤモンドよりも脆いような気がします。
「ダイヤモンド=硬い」のイメージで、乱雑に扱うと、割と簡単に欠けてしまったり割れたりします。
ご使用の際は、充分に注意していただきたいと思います。

そしてこちらは、ダイヤモンドの原石です。
最近はナチュラルな石を好まれるお客様も多いので、このようなダイヤモンドも販売されるようになりました。
好みは分かれると思いますが、通常のブリリアントカットのダイヤモンドよりは輝きません。

お手入れの方法ですが。
ダイヤモンドは、比較的扱いやすい石です。
むしろ、ダイヤモンドと一緒に他の宝石をまとめて入れないでください。
他の宝石とぶつかった時に、宝石の方が割れてしまう可能性があります。

そして、ダイヤモンドには「親油性」という特徴があります。
文字の通り、油分が付着しやすいのです。
それは皮脂も同じ。ずっと身につけていると、ダイヤモンドが皮脂にまみれてくもってきます。
そういう時は、泡立てた石けんの泡で優しく洗って下さい。
石けん自体を擦り付けるのは避けてくださいね。石座の奥に石けんかすがつまってしまいます。
どうしても綺麗にならない場合は、購入されたお店にお持ちいただくのが一番良いと思います。
超音波洗浄機で洗えば、とても綺麗になります。

写真は、「誉ノ錺(ほまれノかざり)」のオーダーメイド作品
「ダイヤモンドのコンビエンゲージリング」です。
やっぱりダイヤモンドをちりばめるとゴージャスですね!

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.03.27

誕生石シリーズ ー3月「アクアマリン」ー

こんにちは。
今日は3月の誕生石「アクアマリン」のお話です。

アクアマリンの和名は「藍柱石(らんちゅうせき)」または「藍玉(らんぎょく)」と言います。
ヨーロッパでは、ラテン語で「海の水」を意味する名前として
古代から「アクアマリン」と呼ばれていました。
その海の水に溶け込んでしまうような色合いから、軍船団のお守りに使われることも多く
「インタリオ」という形式でアクアマリンの印章の指輪が多く作られました。

アクアマリンの鉱物名は「ベリル」です。
エメラルドと同じ鉱物です。
石の中に内包物が多く割れやすいエメラルドに対して、アクアマリンは比較的内包物が少ない石です。
そのため加工がしやすく、下図のような変わったカットをすることができます。

カービングを施したアクアマリン
様々な模様が彫り込まれている

産出国は、ブラジルが主です。
パキスタンやアフガニスタンでも大きな結晶が採れることもありますが
ブラジルで採れた石と比べると、少し色味が淡いのが特徴です。
また宝石の採れにくい日本でも、アクアマリンは例外的に採れる事があり
茨城県の山の尾や山梨県の黒平などでは、かなり美しいアクアマリンが、少量ながらも産出しました。

またアクアマリンには「ミルキーアクアマリン」という半透明のアクアマリンがあります。

半透明なアクアマリン

これは、原石から半透明の石で
柔らかな水色にミルクを溶かし込んだような色合いで、とても優しい印象の石です。
またミルキーアクアマリンの中にはキャッツアイ効果を示す石もあり、とても希少な石です。

キャッツアイ効果が浮かび上がる

アクアマリンのお手入れ方法ですが
温かい石鹸水などで洗ってもらうのが一番だと思います。
超音波洗浄機などは、もしかしたら目に見えないようなインクルージョンからヒビに発展する可能性があるので
十分に注意して下さい。
石自体はそこまで脆くはありませんが、やはり強い衝撃なども避けてください。

これからの季節、優しい色味のアクアマリンは、身につけているととても涼しげだと思います。
季節によって、身につける宝石を変えるのも楽しいかもしれませんね。

※写真は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.02.19

誕生石シリーズ ー2月「アメジスト」ー

こんにちは。
今日は2月の誕生石「アメジスト」のお話をしたいと思います。

アメジストの和名は「紫水晶(むらさきすいしょう)」です。
宝石に興味のない方でも、見れば
「この石見たことある!」となるアメジスト。
ジュエリーだけではなく、置物などにも用いられていて
非常にオーソドックスな石です。

その長い歴史の始まりは、1世紀までさかのぼります。
「ユダヤ古代史」という書物の中に
「Ahlamah(アーラマー)」という名前で紫色の水晶が登場しました。
それが最古のアメジストの文献です。

「アメジスト」という名前は、ギリシャ語の
「amethystos(アメテュストス、アメスィストス)」に由来していて
お酒の神様バッカスのいたずらで、石に変わってしまった少女
「amethyst」の名前が元になっています。

バッカスの名前にちなんで「バッカス・ストーン」とも呼ばれるアメジスト。
少女が、お酒の神バッカスのいいなりにならなかった事から
「アメジストを身につけているとお酒に酔わない」
という言い伝えまであり、アメジストの杯なども存在します。

ぶどうのような色合い

アメジストはその美しい紫色で、昔から人を魅了してきました。
薬のように粉末にして飲んだり、
お守りとして肌身離さず持ったり・・という使い方も
この色の生み出すヒーリング効果を期待しての事だったように思えます。

またアメジストは、石の中では比較的加工のしやすい石です。

このように溝をつけたり

お花の形にしたり

こんな面白いカットにもできるので、
ジュエリーのデザインの幅が広がります。

また、アメジストには2色の色が混ざった石も存在します。

これは「アメトリン」と呼ばれる石で
「アメジスト」と「シトリン(黄水晶)」が混ざり合った石です。
天然のものはとても貴重な石ですが、
最近のシトリンはアメジストを熱処理したものが多いので
人工的に「アメトリン」を作る事が可能です。

これは「バイカラーアメジスト」。
「アメジスト・ロッククリスタル」とも呼ばれています。
シトリンの代わりに、透明のクリスタル(水晶)が混ざり合った石です。
どちらも、とても幻想的ですね。

アメジストは、かつてはダイヤモンドやルビー、エメラルドとも並ぶ
最も貴重なジェムストーンの1つとされていたのですが
1700年代以降に沢山の大規模な鉱床が見つかってしまったため、
その希少価値は下がってしまいました。
でも、その美しさと親しみやすさで、今も沢山の人の目を楽しませています。

お手入れ方法ですが、アメジストの一番の特徴は
「紫外線に弱い」ということです。
長い時間太陽の当たる場所に置いておくと、
美しい紫色が褪せてしまったり薄くなってしまう可能性があります。
そして、アメジストは宝石の中では弱い石です。
例えばサファイアなどと一緒の箱に入れて、
石同士があたるとアメジストの方が割れてしまいます。
保管は、単独で。そして直射日光のあたらない場所においてあげて下さい。

もし石が汚れてしまったら、まずは優しく布で拭いてみてください。
それでもとれなかったら、柔らかい歯ブラシに水をつけてこすってください。
それぐらいならアメジストにも傷はつきません。

ただ、シルバー磨きの液体などにつけるのはやめてください。
表面に細かい傷がついて、輝きが損なわれてしまう原因になります。

日本では、古来から紫色は最も高貴な色として重宝されてきました。
アメジストの輝きに見合うような美しい人を目指すのも
とても素敵な事だと思いますが、いかがでしょうか。

※写真は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2017.01.29

誕生石シリーズ ー1月「ガーネット」ー

こんにちは。
新年最初のコラムは、1月の誕生石「ガーネット」のお話をしたいと思います。

ガーネットの和名は「石榴石(ざくろいし)」です。
昔の方は、特徴を掴まれるのが本当にうまい(笑)。
あの赤くて透明な実は、ガーネットにそっくりだと思います。
ちまたでよく知られているガーネットは
先にもお話した通り赤い透明な石ですが、
実はガーネットには様々な色が存在します。

これはパイロープガーネットです。
一番オーソドックスに「ガーネット」と呼ばれている色がこの色味です。
「パイロープ」という言葉は「火」を表すギリシャ語の
「Pyropos(ピロポス)」から名付けられました。
深い赤色が特徴の石です。
パイロープガーネットは小粒のものが多く、2カラットを超えるものは
ほとんどありません。
その為、小粒なものを沢山集合させたような
ブローチや指輪のデザインに使われています。

また、これとほぼ同じ色味のもので
「アルマンダイトガーネット」というものがあります。
これは、鉱物としての成分が違うだけで
色味だけで判断することはできません。

これはロードライトガーネットです。
ギリシャ語でバラを意味する「Rhodo(ロード)」と
石を意味する「Lithos(リトス)」に由来しています。
写真で見ても分かるようにパイロープガーネットと違い、赤紫色が特徴です。

これはスペサルティンガーネットと呼ばれるオレンジ色の石です。
二枚の写真を見てもらうとお分かりのように
オレンジ色にも様々な種類や濃淡があります。
みかんを思わせる鮮やかな色のものは
「マンダリンガーネット」とも呼ばれています。

これはグリーンガーネットです。
正式名称は「グリーン・グロッシュラー・ライト・ガーネット」と言います。
グロッシュラライトガーネットには
緑色の他にも、無色・黄色・茶色などがあります。
グリーンガーネットには、別名「ツァボライト」という名前もあります。

また「ディマントイドガーネット」という緑色のガーネットもあるのですが
こちらは鉱物の成分が違います。
そしてとても貴重なもので、あまり市場には出回っていません。
ダイヤモンドよりも分散光が強いので、その輝き方は強烈です。

お手入れ方法ですが、ガーネットは比較的扱いやすい石です。
ぬるま湯や、温かい石鹸水などで洗浄してもらえば問題はありません。
ただ、ディマントイドガーネットだけは、少し硬度が低くなりますので
取り扱いには注意して下さい。
もちろん、その他のガーネットも強い衝撃などには弱いですのでご注意を。


写真は、「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の作品
サファイアとマンダリンガーネットのリングです。
深みのある青色に、オレンジ色が映えてとても美しいです。

一口に「ガーネット」と言っても、その種類や色は千差万別です。
もちろん希少価値などによりその値段は変わりますが
「これは美しいなあ」と見とれるようなものを
選んでいただけたらと思います。

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2016.12.28

誕生石シリーズ ー12月「ターコイズ」ー

こんにちは。
今日は12月の誕生石でもある「ターコイズ」のお話をしたいと思います。

ターコイズの和名は「トルコ石」です。
ターコイズの歴史はとても古くて
今から約6000年前のメソポタミア(現在のイラク)で使用されていた
ターコイズのビーズが発見されています。
13世紀頃までは「美しい石」を意味する「カレース(カッライス)」と呼ばれていました。
その美しい水色から、自然崇拝の対象となり「神聖な石」として取り扱われていたようです。
青空を切り取ったような色ですものね。

イランやシナイ半島でターコイズは採掘されていましたが、実はアメリカの南西部も産地でした。
現在では枯渇した鉱山もありますが、テイファニーが所有していた鉱山もあったため
「ティファニー・ターコイズ」とも呼ばれていたようです。
そう考えると、ネイティブアメリカンのジュエリーに、よくターコイズが用いられているのも頷ける話です。

ネイティブアメリカンの方達は、ターコイズをお守りとして重用していました。
きっと昔は、偶然出てきた美しい石を丁寧に磨いて、肌身離さず持っていたのでしょうね。
私も、こんな美しい水色が地中から出てきたら、丁寧に磨いてしまうと思います(笑)。


ターコイズの魅力と言えばその明るい水色ですが、水色の他に緑色の物も存在します。

緑色のネット入りターコイズ
緑色のネット入りターコイズ

宝石の価値としては、水色の方が高いとされていますが、私は緑色も美しいと思います。
そして「ネット入り」と呼ばれる黒や茶色の網目のような模様が入ったターコイズ。

青色のネット入りトルコ石
青色のネット入りターコイズ

これは、ネットの入る位置や細かさなどで、値段が大きく変わります。

また、ターコイズは発掘されたままの姿では、砕けてしまったり激しく変色する物もあります。
その度合いは産地によって違うのですが
残念ながら何の加工も施さなくても安定しているようなターコイズは、現在はほぼ市場に出回りません。
かなりの希少価値が付いているからです。

その中でも、高級とされているターコイズに施されている処理は、とてもデリケートなものです。
ゴシゴシとこすったりすると、表面のコーティングが剥がれてしまうこともあるし
他の宝石とあたると欠けてしまうこともあります。

それ以外にも、「練りターコイズ(粉末になったターコイズを練って作った物)」や
ハウライトという石を青く着色したものも販売されています。
そして、それぞれのお手入れの仕方が異なります。
本来なら、そのターコイズがどういったものであるか、お客様にお伝えするべきだと思うのですが
残念ながら、なかなかそこまで詳しい販売員はいらっしゃらないように感じます。

平均的なお手入れとしては、あまり強くはこすりすぎない方がいいです。
どうしても気になる汚れが付いてしまった場合は、購入されたお店に持って行かれることをお勧めします。

トルコ石を使ったネックレス
ターコイズを使ったネックレス

美しいネットの入ったトルコ石
美しいネットの入ったターコイズ

写真は、「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の作品
「うさぎに願いをーお守りネックレスー」
ネットの入り方が繊細なターコイズです。
ネックレスの方には小さなターコイズが留まっていますが、存在感は抜群です。

石にはそれぞれの美しさがあります。
「高級だから」「〜のブランドで買ったから」というよりも
「ご自身が一番気に入ったもの」を選ばれることをお勧めします。
ちなみに私は、緑色のターコイズも大好きです。

※写真の一部は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。

2016.10.30

仏様の手の上で

こんにちは。
「誉ノ錺(ほまれノかざり)」では、お店に置くディスプレイも
できるだけ美しい本物を置きたいと思っています。

そんな時に、偶然アトリエの近くに引っ越してこられた方。
それが福田雲元工房
の福田雲元さんという仏師さんでした。

「職人」という言葉にとても弱い私達は、積極的に仲良くさせていただき(笑)。
今回、無理をお願いして、こんな素晴らしいものを作っていただきました。




これは、木で彫った仏様の手です。
施無畏印(せむいいん)という、仏様のいわばジェスチャーのような「印」を結んでおられる形です。
この印には「恐れを取り去る」という意味合いがあるそうです。

私は、昔から仏様の手の形が本当に美しいなと思っていて。
雲元さんとお話するにつれて
「仏様の手のような、美しい曲線のものを、ディスプレイに使いたい!」
と強く思うようになりました。

でも「お店のディスプレイに使いたいので、仏様の手を作ってください。」
というのはあまりにも罰当たりな気がして。
「雲元さんが、お仕事を通して思う一番美しい『手』の形を作ってもらえませんか?」
とお願いしました。
何度も作っている過程で、ご相談させていただき
雲元さんからしたら、それは大変なお客だったと思います(笑)。

この手は、1本の太い丸太を削り出して作ってあります。
ジュエリーでは、最後は目のとても細かい研磨剤で磨き上げるのですが
仏師さんが使われるのは、何百本というノミだけ。
光に当てながら面と面との境界線を丹念に削っていき、それを繰り返すことで
最後はツルツルになるのだそうです。
気の遠くなるような仕事量に、頭の下がる思いでした。



「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の作品達が、とても落ち着いて、楽しく手の上で遊んでいるように見えます。

私は出身がデザイナーなので、自分で作ることはもちろん好きなのですが
こういう能力の高い技術を見ると「他の何かに活かせないか?」という思いが湧き上がってきます。
こんな素敵なジュエリースタンドがあったら、お部屋の雰囲気が一気に落ち着くと思いました。

福田雲元工房さんの作品は、どれも完成度の高い素晴らしい作品です。
これからも、ちょくちょく雲元さんには無理な事をお願いしようと思っています(笑)。

2016.09.03

ダイヤモンドという素材

こんにちは。
今日はダイヤモンドについて少しお話をしたいと思います。

ダイヤモンドで有名なお話と言えば
「ダイヤモンドは、世界で一番硬い。だから絶対に割れない。」というもの。
でも実はこれ、正解でもあり間違ってもいるのです。

ここで言う「硬い」という言葉。
これは「引っ掻き傷がつかない」という意味です。
例えば、サンゴ。これはものすごく柔らかいです。
釘なんか使えば、一発で傷が付きます。

でもダイヤモンドは。
爪でひっかく→傷はつきません。
釘でひっかく→傷はつきません。
チタンでひっかく→傷はつきません。
     ・
     ・
     ・
   以下同文。
  ダイヤモンドに傷をつけられるのは、地球上で「ダイヤモンド」だけなのです。
そういう意味では「ダイヤモンドは世界で一番硬い」と言えます。

でも「割れない」という言葉。これが実は間違いなのです。
そして、ジュエリーを身につける上で重要な意味を持ちます。

ダイヤモンドには「へき開」という性質があります。
これは、結晶や岩石の割れ方が、ある特定の方向へ割れやすいという性質です。
ダイヤモンドはカットする時に、この性質を利用することもあります。
衝撃を受けた部分がへき開に当たっていた場合。
ダイヤモンドも簡単に割れてしまうのです。

大粒のダイヤモンドが、ぱっかり2つに割れてしまったらそれこそ取り返しがつきません。
「ダイヤモンドは硬い」の意味を正確に把握して、大切に身につけていただきたいと思います。

ダイヤモンドネックレス

写真は「誉ノ錺(ほまれノかざり)」のオーダーメイドの中の「リフォーム」にある
ダイヤモンドのネックレスという作品です。
これは、お母様から頂いたダイヤモンドのジュエリーを、普段使い用にリフォームしたものです。

「ダイヤモンドは割れる。」とはいえ、それは衝撃を与えた時の話で、大切に使えば長い間楽しめるものです。
親御さんの思い出の品を、今の自分が身につけられるという幸せも、宝石ならでは。
ジュエリーがあるからこそ感じられる、人との絆を
「誉ノ錺(ほまれノかざり)」は大事にしていきたいと思います。