誕生石シリーズ -2月「アメジスト」ー

2017.02.19

誕生石シリーズ ー2月「アメジスト」ー

こんにちは。
今日は2月の誕生石「アメジスト」のお話をしたいと思います。

アメジストの和名は「紫水晶(むらさきすいしょう)」です。
宝石に興味のない方でも、見れば
「この石見たことある!」となるアメジスト。
ジュエリーだけではなく、置物などにも用いられていて
非常にオーソドックスな石です。

その長い歴史の始まりは、1世紀までさかのぼります。
「ユダヤ古代史」という書物の中に
「Ahlamah(アーラマー)」という名前で紫色の水晶が登場しました。
それが最古のアメジストの文献です。

「アメジスト」という名前は、ギリシャ語の
「amethystos(アメテュストス、アメスィストス)」に由来していて
お酒の神様バッカスのいたずらで、石に変わってしまった少女
「amethyst」の名前が元になっています。

バッカスの名前にちなんで「バッカス・ストーン」とも呼ばれるアメジスト。
少女が、お酒の神バッカスのいいなりにならなかった事から
「アメジストを身につけているとお酒に酔わない」
という言い伝えまであり、アメジストの杯なども存在します。

ぶどうのような色合い

アメジストはその美しい紫色で、昔から人を魅了してきました。
薬のように粉末にして飲んだり、
お守りとして肌身離さず持ったり・・という使い方も
この色の生み出すヒーリング効果を期待しての事だったように思えます。

またアメジストは、石の中では比較的加工のしやすい石です。

このように溝をつけたり

お花の形にしたり

こんな面白いカットにもできるので、
ジュエリーのデザインの幅が広がります。

また、アメジストには2色の色が混ざった石も存在します。

これは「アメトリン」と呼ばれる石で
「アメジスト」と「シトリン(黄水晶)」が混ざり合った石です。
天然のものはとても貴重な石ですが、
最近のシトリンはアメジストを熱処理したものが多いので
人工的に「アメトリン」を作る事が可能です。

これは「バイカラーアメジスト」。
「アメジスト・ロッククリスタル」とも呼ばれています。
シトリンの代わりに、透明のクリスタル(水晶)が混ざり合った石です。
どちらも、とても幻想的ですね。

アメジストは、かつてはダイヤモンドやルビー、エメラルドとも並ぶ
最も貴重なジェムストーンの1つとされていたのですが
1700年代以降に沢山の大規模な鉱床が見つかってしまったため、
その希少価値は下がってしまいました。
でも、その美しさと親しみやすさで、今も沢山の人の目を楽しませています。

お手入れ方法ですが、アメジストの一番の特徴は
「紫外線に弱い」ということです。
長い時間太陽の当たる場所に置いておくと、
美しい紫色が褪せてしまったり薄くなってしまう可能性があります。
そして、アメジストは宝石の中では弱い石です。
例えばサファイアなどと一緒の箱に入れて、
石同士があたるとアメジストの方が割れてしまいます。
保管は、単独で。そして直射日光のあたらない場所においてあげて下さい。

もし石が汚れてしまったら、まずは優しく布で拭いてみてください。
それでもとれなかったら、柔らかい歯ブラシに水をつけてこすってください。
それぐらいならアメジストにも傷はつきません。

ただ、シルバー磨きの液体などにつけるのはやめてください。
表面に細かい傷がついて、輝きが損なわれてしまう原因になります。

日本では、古来から紫色は最も高貴な色として重宝されてきました。
アメジストの輝きに見合うような美しい人を目指すのも
とても素敵な事だと思いますが、いかがでしょうか。

※写真は「アサオ工芸」様より引用させていただきました。