仏様の手の上で

2016.10.30

仏様の手の上で

こんにちは。
「誉ノ錺(ほまれノかざり)」では、お店に置くディスプレイも
できるだけ美しい本物を置きたいと思っています。

そんな時に、偶然アトリエの近くに引っ越してこられた方。
それが福田雲元工房
の福田雲元さんという仏師さんでした。

「職人」という言葉にとても弱い私達は、積極的に仲良くさせていただき(笑)。
今回、無理をお願いして、こんな素晴らしいものを作っていただきました。




これは、木で彫った仏様の手です。
施無畏印(せむいいん)という、仏様のいわばジェスチャーのような「印」を結んでおられる形です。
この印には「恐れを取り去る」という意味合いがあるそうです。

私は、昔から仏様の手の形が本当に美しいなと思っていて。
雲元さんとお話するにつれて
「仏様の手のような、美しい曲線のものを、ディスプレイに使いたい!」
と強く思うようになりました。

でも「お店のディスプレイに使いたいので、仏様の手を作ってください。」
というのはあまりにも罰当たりな気がして。
「雲元さんが、お仕事を通して思う一番美しい『手』の形を作ってもらえませんか?」
とお願いしました。
何度も作っている過程で、ご相談させていただき
雲元さんからしたら、それは大変なお客だったと思います(笑)。

この手は、1本の太い丸太を削り出して作ってあります。
ジュエリーでは、最後は目のとても細かい研磨剤で磨き上げるのですが
仏師さんが使われるのは、何百本というノミだけ。
光に当てながら面と面との境界線を丹念に削っていき、それを繰り返すことで
最後はツルツルになるのだそうです。
気の遠くなるような仕事量に、頭の下がる思いでした。



「誉ノ錺(ほまれノかざり)」の作品達が、とても落ち着いて、楽しく手の上で遊んでいるように見えます。

私は出身がデザイナーなので、自分で作ることはもちろん好きなのですが
こういう能力の高い技術を見ると「他の何かに活かせないか?」という思いが湧き上がってきます。
こんな素敵なジュエリースタンドがあったら、お部屋の雰囲気が一気に落ち着くと思いました。

福田雲元工房さんの作品は、どれも完成度の高い素晴らしい作品です。
これからも、ちょくちょく雲元さんには無理な事をお願いしようと思っています(笑)。